クマ対策、市民も議論を 「数年中に再び森林公園に」 酪農大教授が江別で講演 生活圏の分離が大切

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ヒグマの生態について講演する酪農大の佐藤教授

 【江別】ヒグマが今年6月から、道立野幌森林公園(江別市、札幌市厚別区、北広島市)とその周辺に78年ぶりに出没し、食害などの被害が発生した江別市で、都市部のクマの生態に詳しい酪農学園大の佐藤喜和教授(野生動物生態学)が25日講演し、「数年の間に再びクマが森林公園に来る可能性は高い。市民も一緒になって対策すべきだ」と訴えた。

 えべつ市民環境講座の一環で、野幌公民館で開催。受講生約40人が参加し、クマ出没の背景、行政や地域が今後取るべき対策について考えた。

 佐藤教授は、保護の観点から1990年に春グマの駆除が廃止されて以降、「道内のヒグマは増加し、生息域が拡大している」と指摘。札幌周辺で毎年10頭程度の子グマが生まれていることから、「私たちの周りにはヒグマがいるという認識が必要」と強調した。

 その上で、クマの生活圏と人の生活圏を分けることで双方が出会わないようにする「ゾーニング」対策が大切になると説明。住宅地に侵入させないために、森林公園との境界に電気柵を設置したり、草刈りで見通しを確保したりすることが効果的とした。さらに、クマを引き寄せにくくするため、においの出る漬物や生ごみ、コンポストを適切に管理すべきだとした。