12球団の今季MVPは誰か? Vの巨人は坂本勇、西武は森、村上&近本も

巨人・坂本勇人(左)と西武・森友哉【写真:Getty Images、荒川祐史】

2位が確定したDeNAは2冠王が確実のソト

 24日に行われた敵地ロッテ戦に勝ち、西武が2年連続のパ・リーグ制覇を決めた。セ・リーグは20日に巨人が5年ぶりのリーグ優勝を決めており、これでセパ両リーグの優勝チームが決定した。

 パ・リーグは24日に行われた3試合で一斉に全順位が決定する珍しい事態となり、2位ソフトバンク、3位楽天とクライマックスシリーズ進出チームも決定。4位以下はロッテ、日本ハム、オリックスの並びに。セ・リーグは巨人の首位、DeNAの2位が決定。CS進出のかかる3位争いは広島、阪神に絞られている。

 ペナントの行方が決まり、レギュラーシーズンもあとわずか。ここでは、12球団で最もチームに貢献した各球団MVPを独自に選出してみたい。

【セ・リーグ】
○巨人:坂本勇人
 5年ぶりにリーグを制覇を果たした巨人はやはりキャプテンとしてチームを牽引した坂本勇人だろう。ここまでリーグ5位の打率.310、リーグ2位の39本塁打、リーグ4位タイの93打点と打撃成績は軒並みリーグ上位に位置している。野手の中でも負担の大きい遊撃手を務めながらのこの成績でセ・リーグMVPの最有力候補でもある。投手で言えば、15勝をあげて最多勝が決まった山口俊の奮闘が光った。

○DeNA:ネフタリ・ソト
 ラミレス監督就任後の最高位となる2位が決まったDeNAではソトがMVPだろう。42本塁打、106打点はともにリーグトップで2冠王がほぼ確実な状況となっている。打率.269はやや物足りないものの、その勝負強い打撃は他球団の脅威となり、本塁打王は2年連続となりそう。投手で挙げるならば、やはり13勝、防御率2.71と奮闘した今永昇太か。

○広島:鈴木誠也
 3年連続優勝から一転、4年ぶりにリーグ優勝を逃した広島。その中でチームを牽引したのは、主砲の鈴木誠也だった。打率.335はセ・リーグトップで自身初の首位打者をほぼ確実にしている。28本塁打87打点もチームトップでチームのMVPの働きだった。投手ではジョンソンが11勝7敗、防御率2.46で最優秀防御率のタイトルを確実にしている。

○阪神:近本光司
 最後の最後までクライマックスシリーズ進出を争っている阪神のMVPにはドラフト1位の近本光司を挙げたい。ルーキーながら打率.276をマークし、長嶋茂雄氏を超えるセ・リーグ新人最多、NPBでも歴代3位となる158安打をマーク。リーグトップの36盗塁をマークし、盗塁王も視野に入れている。救援のピアース・ジョンソン、藤川球児も素晴らしい成績を残した。

○中日:ダヤン・ビシエド
 終盤までCS進出の可能性を残しながら、7年連続Bクラスに終わることになった中日。その中でMVPをあげるとすれば、ビシエドか。打率.318はリーグ2位、本塁打は18本と決して多くないが、それでいてリーグ4位の93打点を残すのは、さすがの一言だ。初の2桁勝利をマークした柳裕也、復活を果たしノーヒットノーランを達成した大野雄大、リリーフで防御率1点台のジョエリー・ロドリゲスの好投も光った。

○ヤクルト:村上宗隆
 高卒2年目でセンセーショナルな活躍を見せた村上がヤクルトのMVPだろう。清原和博氏の持つ10代最多本塁打記録を更新し、ここまでリーグ3位、チームトップの36本塁打をマーク。中西太氏の持つ高卒2年目までの最多本塁打記録にも肩を並べ、最年少100打点にも残り2試合で4打点に迫っている。バレンティンも33本塁打93打点、山田哲人も35本塁打98打点をマークしているが、期待以上だったという点からも村上がMVPだろう。

3位を確保した楽天は助っ人のブラッシュが活躍

【パ・リーグ】
○西武:森友哉
 2年連続のリーグ優勝を飾った西武は正捕手の森がMVPではないだろうか。扇の要としてチームを牽引しつつ、ここまでリーグトップの打率.329をマーク。史上4人目、パ・リーグでは2人目の捕手としての首位打者に近づいている。105打点もリーグ3位の好成績で攻守両面で優勝に貢献し、リーグMVPの最有力候補でもあるだろう。野手では43本塁打の山川、123打点の中村、投手でも11連勝をマークしたニール、パ・リーグ新の81試合登板の平井らの活躍も光った。

○ソフトバンク:千賀滉大
 エースとしてチームを牽引し、リーグ2位の13勝、防御率2.79をマークしている千賀がMVPか。ノーヒットノーランも達成し、シーズン終盤の鬼気迫る投球は圧巻だった。24日の楽天戦では痛恨の逆転2ランを浴びて負け投手となったが、シーズンを通じて大黒柱として引っ張った。また、投手では高橋礼も自身初の2桁勝利をマーク。打者ではキューバ代表活動で一時離脱しながら、打率.320、28本塁打68打点をマークしたジュリスベル・グラシアル、36本塁打88打点のアルフレド・デスパイネのキューバコンビの働きも大きかった。

○楽天:ジャバリ・ブラッシュ
 新助っ人のブラッシュはリーグ3位の33本塁打、同4位の95打点と打線の中心として活躍。勝負強い打撃でチームの3位、クライマックスシリーズ進出に大きく貢献した。岸、則本昂を中盤まで欠いた投手陣では石橋良太が急成長し8勝をマーク。守護神の松井裕樹はリーグトップの38セーブをマーク。最多セーブのタイトルを手中にしたが、一方で8敗を喫しているところが勿体なかった。

○ロッテ:荻野貴司
 最後の最後までクライマックスシリーズを争いながら、4位に終わったロッテ。リーグ3位の打率.315をマークし、自身初の規定打席に到達した荻野がチームMVPと言えるのではないか。リードオフマンとしてチームを牽引。惜しむらくは勝負の終盤に腰痛で離脱したこと。投手では高卒3年目の種市が急成長を遂げ、チームトップタイの8勝と活躍した。

○日本ハム:有原航平
 5位に終わった日本ハムでは、リーグトップの防御率2.46、15勝をマークして投手2冠の可能性を残す有原が文句なしでMVPだろう。チーム唯一の2桁勝利で文字通りの大黒柱として牽引した。野手で言えば、近藤健介が打率.302、西川遥輝と大田泰示は.290をマークしているが、残念ながら、有原に比べると、物足りないと言わざるを得ないか。

○オリックス:吉田正尚
 3年ぶりの最下位、そして5年連続Bクラスに終わったオリックス。その中でMVPを挙げるとすれば、文句なしで主砲の吉田正尚となるだろう。苦戦するチームの中で首位打者も狙えるリーグ2位の打率.325をマーク。リーグ9位の27本塁打、83打点と好成績を残した。投手では山岡泰輔が自身初の2桁勝利となる12勝をマークし、規定投球回にも到達。また、山本由伸は離脱がありながら、ここまで防御率1.97。残る試合であと6イニングを投げれば、規定投球回に到達となり、最優秀防御率のタイトルを手にする可能性がある。味方打線の援護が乏しく白星は伸びなかったが、圧巻の投球を見せた。(Full-Count編集部)

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