次の150年へ紡ぐ思い・伊達【2】

有珠山紋鼈寺の若院・奥田正弘さん

©株式会社室蘭民報社

地域の「縁」結ぶ拠点に

■DJで活躍も

まちづくりへの思いを語る奥田さん

 「伊達を人々の温かいつながりがあるまちにしていきたい」。寺を舞台にした街コンや伊達の未来を考える集まりを開き、まちづくり活動に尽力。DJとしても活躍する若者がいる。浄土真宗本願寺派有珠山紋鼈寺(伊達市末永町)の若院・奥田正弘さん(29)だ。

 同市出身で市内の小中学校、室蘭清水丘高校を卒業。住職の資格を得るため、龍谷大学(京都市)に進学。大学院で修士号を取得後、本山で一年間修行。27歳まで京都で過ごした。

 まちづくりに興味を持ったのは大学院生時代。宗教者の視点で社会問題について考える実験真宗学研究科で学んだ。同じ学科の仲間も人口減少などに関心が高い人たちが集まっていた。寺を舞台にしたパン教室を開いたり、緩和ケア病棟での患者の話を聞くなど、地域社会に働き掛けている知人たちに刺激を受けた。

 ある時、参拝者から「かつては法要のときに縁談や縁結びのきっかけになっていた」という話を聞いた。「お寺de街コン」を企画するきっかけだ。前回は8月末に開催し男性17人女性14人が参加。7組のカップルが誕生した。

 「昔はお寺が地域の拠点だった。お寺に行く習慣がない人たちが街コンをきっかけに足を踏み入れられる」と成果を強調する。

 今年は伊達武者まつりの実行委員として活動。初の前夜祭ではDJとしてイベントを盛り上げた。「正直、うまくいくか半信半疑だった。若い人からは『またやってほしい』と言ってもらえた」と笑顔を見せる。

■思いぶつける

 伊達の未来を語り合う場として「伊達未来会議」を立ち上げた。フェイスブックで「伊達の未来ラボ」というページを作り、呼び掛けた。伊達150年事業の感想や人口問題など、思いをぶつけ合う。現在は30人ほどまで参加が増えた。

 「自分以外にもまちづくりに熱意がある人がいる。思いを共有できる」と意図を説明。「SNSで広げてもらい、一人一人が主役になれるような活動になれば」と見通しを展望する。

 「食がおいしい。温泉もあり、心が落ち着く景観がある。都会にはない伊達の魅力を将来に残していきたい」と力を込める。

 「お寺を通して周囲の人が互いに支え合う社会、地域コミュニティーを形成したい。それが地域活性化につながる。かつて地域の拠点だったお寺がより身近になる必要がある」。きょうも伊達の未来のため活動を続けている。
(池田勇人)

(2019年9月26日掲載)