外薗(JR九州)「メダルの色は金がいい」 セーリング男子470級・東京五輪代表 長崎で車掌経験「いい思い出」

車掌姿で「金メダルを狙う」と宣言する外薗=JR九州本社

 2020年東京五輪日本代表に内定したセーリング男子470級クルーの外薗潤平(JR九州)の記者会見が25日、福岡市のJR九州本社で行われ「気を引き締めて頑張っていきたい。メダルの色は金がいい」と車掌姿で健闘を誓った。
 外薗は2016年から長崎支社総務企画課に所属。同社にセーリングチームがないため、業務免除という支援を受けて、トヨタ自動車東日本で活動している。活動拠点は神奈川。五輪会場の江の島ヨットハーバーで練習に励んでいる。
 その2016年から結果を出し続け、2017年の全日本470級選手権でスキッパーの岡田奎樹(トヨタ自動車東日本)と組んで初優勝。2018年のワールドカップ(W杯)江の島大会で日本男子として初優勝を飾っている。
 出身は鹿児島市。鹿児島商高で競技を始め、福岡県の日本経大で腕を磨いた。2013年にJR九州へ一般入社。福岡県飯塚市の新飯塚駅で駅員として勤務後、2015年から約1年、長崎乗務センターで車掌を経験した。主に長崎本線や佐世保線、大村線で乗車。当時は月に1回程度海に出て、筋トレで体力を維持していた。
 大学時代の仲間と組んだ2016年度のナショナルチーム選考会で代表入りしてから、競技に専念してきた。長崎で車掌をしていた1年間を振り返って「本当に楽しかった。いい思い出しかない」と感謝の言葉を口にした。

 ■一問一答/職場のサポートに感謝、ペアの岡田と「上位狙える」

 -小中学時代にしていたスポーツは。
 小学生は相撲、中学生は陸上の長距離。陸上は好きな女の子がいたという不純な動機だったので、成績を残せなかった。

 -高校からセーリングを始めたきっかけは。
 海が好き。釣りできるかなぐらいの軽い気持ちだった。だけど、風だけの力で走っていく爽快感や自然と一体になる感覚にのめり込んだ。

 -日本経大へ進んだ理由を。
 高校で結果を残せなかったのが悔しくて、強豪で競技を続けたかった。OBが系列高校の職員をしていたのも大きい。

 -職場のサポートは。
 車掌時代は大会に出るために同僚に勤務変更してもらった。不満も言わずにセーリングを優先させてくれた。日本代表になってからは勤務免除。自由に時間を与えてもらっている。ありがたい。

 -五輪を目指したのはいつごろから。
 入社時は出たい気持ちはなかった。まずは仕事をしてという気持ちが強かった。2016年のナショナルチームに入ってから、五輪に出るぞという気持ちが強くなった。

 -スキッパーの岡田奎樹の印象は。
 ペアを組む前に17年の全日本470選手権にお試しで出た。スピードを出す能力が桁違い。この選手となら五輪で上位が狙えると思った。

 -今後の予定は。
 海外合宿が多くなると考えている。11月下旬に海外で合宿予定。身長が低いので、強風が苦手。道具の使い方や技術面で対策をしていきたい。

 【略歴】ほかぞの・じゅんぺい 鹿児島市出身。鹿児島商高からセーリングを始め、3年時にインターハイ出場。日本経大4年時は主将を務め、インカレ優勝に貢献した。2013年にJR九州へ入社20。15年の車掌時代は長崎市内の神の島や伊王島で釣ったイカを、寮でさばいて食べていた。173センチ、73キロ。28歳。

セーリング男子470級の東京五輪日本代表に内定した外薗(左)・岡田組=江の島ヨットハーバー沖

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