「艦これ」盛況 新たな層の観光客誘致に成功

©株式会社長崎新聞社

グッズを販売した佐世保市民文化ホール(旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館)は、大勢の人でごった返した=14日午前10時58分、佐世保市平瀬町

 佐世保市で13~16日、軍艦を擬人化した美少女キャラクターが登場する人気オンラインゲーム「艦隊これくしょん」(艦これ)のイベントが開かれた。グッズ販売やスタンプラリーなどが人気を集め、4日間で想定を上回る2万人超が訪問。“オタク”と呼ばれる若年層の観光客誘致につながった。

 地元企業などでつくる佐世保地域経済活性化推進協議会の「佐世保地方創生プロジェクトチーム(PT)」が、ゲームの運営会社に働き掛けて実現。昨年3月に初めて開いた(2日間)。2回目となる今回は、佐世保鎮守府開庁130周年に合わせ、規模を拡大。企業や団体などから延べ約300人のボランティアが携わった。
 14日午前。佐世保市民文化ホール(旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館)。朝から多くの人が詰め掛け、ごった返した。お目当ては「艦これ」グッズ。佐世保バーガーを手にしたフィギュアなど、ここでしか入手できない商品が飛ぶように売れた。
 グッズは地元企業とも連携。西肥自動車(西肥バス)は、「艦これ」デザインのバス形貯金箱を販売。14日は用意した約2千個が完売した。同じデザインをした佐世保-福岡の高速バスも10月末まで運行予定。担当者は「盛り上がりに貢献できたのであれば、うれしい」としている。
 市中心部ではスタンプラリーを展開。全10地点を巡ると、特製クリアファイルがもらえるとあり、チェックポイントには長蛇の列ができた。もう一つの目玉は、ご当地グルメを提供する飲食店とのコラボレーション企画。佐世保バーガーや護衛艦カレーなどを提供する約30店舗では、対象メニューを注文した客に、缶バッジなどの限定グッズを提供した。行列対策として、イベント参加者専用のレジを設けた店もあった。
 日本航空はイベントに合わせ、羽田から福岡、長崎行きの特別便を運航。3連休とも重なり、関東からも多くの若者が訪れた。

 「コラボ店」ばかりに人が集中し、町全体としてのにぎわいの創出には課題が残った。そんな中、独自のアイデアで集客を図った店もあった。
 島瀬町の直売所「西彼とれたて処佐世保店」は、ゲームに登場するキャラクターと名前が同じ梨の品種「秋月」を店頭に並べた。すると、手に取る人が続出。ツイッターなどインターネットでも話題になった。
 梨は14、15の両日、1日当たり70~80個も売れた。店長の豊村大輔さん(41)は「予想以上の反響に驚いた。礼儀正しい人ばかりで、すごく喜んでくれて、こちらもうれしくなった。やり方次第で地元はもっと潤うはずだ」と語った。
 次回は未定だが、今後はスタンプラリーなどについて、継続的なイベントにできないか模索している。ただ、PTは「『艦これ』は、あくまでも切り口の一つ」と強調する。担当者は「佐世保は、いろいろなものを受け入れる土壌がある。さまざまな切り口から『次』を考えて人を呼び込み、独自性のある取り組みを続けたい」としている。