政府のキャッシュレス還元で旅に出よう! 還元率が高いお得な組み合わせは?【コラム】

政府は、消費税増税にあわせ、10月1日から「キャッシュレス・消費者還元事業」を実施する。この事業では、中小・小規模事業者によるキャッシュレス手段を使ったポイント還元を支援する。

この事業では、事業のマークがある対象加盟店にて、参加する決済事業者のキャッシュレス手段を用いると、5%または2%の還元が受けられる。キャッシュレス手段は、主にクレジットカードとSuicaのような交通系ICカードなどを含むプリペイドカード、コード決済など。還元方法は、決済事業者に委ねられている。また、多くの事業者は、基本のポイント等での還元に加えて、この事業の還元を実施する形だ。

マイル移行可能なポイント還元を見つけ出せ!

9月に入り、徐々に決済事業者の還元方法が明らかになってきた。クレジットカードの事業者を中心に、大半の事業者は、キャッシュバックや、請求額からの値引きを実施する模様だが、一部事業者は、他社のポイントなどに移行可能なポイント還元を実施すると発表した。その中には、JAL・ANAへのマイルに移行可能なポイント還元を実施する事業者もある。

読者の皆さんはご存知だと思うが、航空会社のマイルは、利用方法によっては、1マイル数円から十数円に「化ける」こともあり得る。つまり、政府が定めた料率以上に還元を受けられる可能性があり得るということだ。

トライシーの読者の中には「陸マイラー」の方も少なくないようなので、キャッシュレス・消費者還元事業の還元をマイルで受ける方法について、現時点で発表されている情報から探し出してみる。

JAL派なら三菱UFJニコスのDC・NICOSカードが選択肢の1つ

キャッシュレス・消費者還元事業について、三菱UFJニコスのDCカードは原則「DCハッピープレゼント」で、NICOSカードは「わいわいプレゼント」「ゴールドポイントプログラム」にて還元し、いずれもJALマイレージバンクへのポイント移行が可能だ。

いずれもポイント料率は同様で、5%還元店で10,000円買い物をすると、カード会社のポイントが通常ポイントとあわせて135ポイント貯まり、単純計算でJALマイレージバンクにて337.5マイル貯まる。実際はポイントの変換単位や、切り捨てなどもあるので、誤差は生じるが、100円あたり3.375マイルの還元が受けられる計算だ。

ただ、通常利用でカード会社のポイントが貯まらないカードは、ポイント還元は対象外。DCカード発行のJALカードなども、マイルには直接還元されない。その上で、筆者が活用を検討しているのは、DCカード Jizile。筆者はすでに持っている。リボ払い専用だが、通常1.5%のポイント還元が受けられる。年会費が無料なので、持っていて損はないだろう。

東急カードは、1ポイント0.5マイルの比率でJALマイレージバンクに交換できる(一部条件あり)上に、大きな特徴が、1月・1枚あたりの還元上限ポイントが50,000ポイントと、比較的多い(多くの決済事業者が、1月・1枚あたり15,000円相当を還元上限としている)。基本還元率は1%。最大5%をキャッシュレス・消費者還元事業から受ければ、6%のTOKYU POINTの還元が受けられる。ANAマイルに移行すれば4.5%の還元率だ。

もし、対象加盟店で大きな額の還元が受けることがありそうならば、東急カードを利用するのは有効だ。この東急カードは、貯まるTOKYU POINTをマイル含めオンライン上で交換できるので、東急沿線に住んでいなくても、十分恩恵を受けられるはずだ。なお、TOKYU POINTはANAとも提携しているが、東急カードのクレジットカード保有者は、移行が原則出来ないことに注意が必要。

ANA派なら、オリコ、楽天が候補

オリコの発行するOrico Card THE POINTに入会するのも1つの手だ。このカードの特徴は、入会後6ヶ月間はポイント還元率が2%であること。2%のポイントと別に最大5%のキャッシュレス・消費者還元事業のポイントが、「オリコポイント」で受けられる。計7%のポイントは、1ポイント0.6マイルの比率でANAマイレージクラブのマイルに交換でき、還元率は4.2%になりうる。ここでは省略するがオリコポイントからTポイント、JR九州・Gポイント・LINEポイントなどを介すると、更にANAのマイルへの交換率があがる。

カードを新たに増やしたくないのであれば、多くの人が持っているであろう楽天カードで還元を受けるのが簡単だ。基本還元率は1%。最大5%をキャッシュレス・消費者還元事業から受ければ、6%の楽天スーパーポイントの還元が受けられ、1ポイント0.5マイルの比率でANAマイレージクラブのマイルに交換でき、還元率は3%になりうる。

実は還元率が良いVIEWカード+Suicaの組み合わせ

JR東日本の交通系ICカード「Suica」も、キャッシュレス・消費者還元事業に参画することが発表されている。同様の比率でJRE POINTが付与されるほか、10月からは、JR東日本線の乗車でもポイントが貯まるようになる。そもそも、VIEWカードからモバイルSuicaや駅の券売機でチャージすると、1.5%のJRE ポイントが獲得できるので、最大還元率は6.5%となる。

JRE ポイントは、JALカードSuicaでショッピング・プレミアム(別途年会費3,240円)に加入していると、1ポイント約0.66マイルの比率でJALマイレージバンクのマイルに交換できるので、最大還元率が約4.3%となりうる。ショッピング・プレミアムに加入しているならSuicaで還元を受けるのはお得だ。

そもそもJRE POINTを交換せずにJR東日本のサービスに使うのも、首都圏在住者なら悪くないだろう。600JRE POINTで、JR東日本線の普通列車グリーン車に1回乗ることが出来る。51km以上乗車した場合の通常料金は最低830円、最大1,240円なので、1ポイントあたりの価値は1円以上だ。これ以外にもJRE POINTはJR東日本線エリアで利用する際におとくな交換商品があるので、交換せずに旅の費用の一部として使うのも、ポイントをそのままSuicaにチャージしてまた還元を受けるのもありだ。

まだまだ不完全な情報発信も、攻略すれば夢が広がる!

ここではっきりと述べておくが、この政府主導の事業、開始まであと1週間にも関わらず、未だにポータルサイトの店舗情報が6,000ページ超のPDFと閲覧困難であり、網羅的にまとまっている媒体もほとんど存在しない。この情報は、正確性に十分注意したものの誤り等があることもある。還元については自己責任でお願いしたい。

もし、仮にマイルでの高還元に成功したらと考えると、夢が広がる。難易度は高いが、ぜひ10月からの9ヶ月間の還元事業に向け準備と情報収集を進めてみてはいかがだろうか。

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