編集長・東浩紀、批評誌『ゲンロン』第2期がスタート!

株式会社ゲンロンは、 2019年9月に『ゲンロン10』を刊行する。 装幀・誌面も新たに今号より第2期がスタート、 批評誌『ゲンロン』の“再創刊号”。批評家・東浩紀が編集長を務める『ゲンロン』の第2期がスタートだ。デザインに川名潤氏を迎え、 装いも新たに再始動。

巻頭に掲載された東浩紀の論考「悪の愚かさについて、 あるいは収容所と団地の問題」は、 “再創刊号”にふさわしい4万字超のテクスト。 加害者の忘却と被害者の記憶という二項対立を乗り越える鍵を探る、 著者渾身の書き下ろし。 ひとはなぜ、 かくも高い知性をもち、 かくも豊かな感情を備えながら、 かくも残酷で愚かな悪をなしてしまうのか、 「哲学でも批評でも紀行文でもない」とうたう新しい文体にご注目。

小特集は「平成から令和へ」と「AIと人文知」をお届け。 「平成から令和へ」にはふたつの対談を収録。 高橋源一郎+東浩紀「歴史は家である」は、 戦争の記憶と戦後文学をいとぐちに、 等価交換ではない贈与の空間を生み出すための道を語る。 原武史+東浩紀「国体、 ジェンダー、 令和以後」は、 「平成流」と呼ばれた現上皇陛下の行動原理を読み解きながら、 天皇制の行く末に迫る白熱の対話。

「AIと人文知」は、 長谷敏司+三宅陽一郎+大森望によるAIとSF的想像力の関係を探る座談会、 発酵のメタファーからクリエイティブ・コモンズ、 オンライン・コミュニティ、 さらには人間の無意識の思考過程を考えるドミニク・チェンの論考「メタ床」、 山本貴光・吉川浩満の両名が人工知能研究と人文学の交差点を解き明かすブックガイド「人工知能と人文知を結ぶ15の必読書」と、 知と技術の最前線に多角的に迫った特集になっている。

また、 「投資から寄付へ、 そして祈りへ――SOLIOの挑戦と哲学」では、 起業家の家入一真、 桂大介(ゲンロン友の会会員)を招き、 新しいかたちの寄付プラットフォーム「SOLIO」とはなにか、 日本における寄付文化の位置づけと寄付という行為の根源的な意味について、 東浩紀がインタビューした。 寄付の多様性をいかにして実現するか、 テクノロジーと思想の両面から掘り下げる。

そのほか、 国際色豊かな3本の新連載(高山明、 ユク・ホイ、 イ・テックァン)がスタート。 論考、 コラム、 創作など、 「雑誌」ならではの多彩な執筆陣。随所に挟まれた編集長の言葉を道標に、 『ゲンロン10』の旅を楽しもう。

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