2019年7月初旬、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで初披露されたアウディの新型GT2カー『アウディR8 LMS GT2』が9月28~29日、スペインのカタロニア・サーキットで行われるブランパンGTスポーツクラブで公式戦デビューを飾る予定だ。
アウディR8 LMS GT2は、ステファン・ラテル率いるSROモータースポーツ・グループが“復活”させたGT2規格に合致した新型レーシングカー。その特徴は、多くの自動車メーカーが参入しているFIA-GT3規格のGT3カーと比べ、空力面ではややルーズだがパワーでは上回る点だろう。
新GT2カテゴリー誕生の背景には、GT3カーがジェントルマンドライバー向きのマシンという当初の構想から外れ年々コーナーリングのパフォーマンスが向上した結果、プロドライバー向けのクルマになっていることが挙げられる。
このような状況を鑑みたSROは2018年末、コーナーリング性能はGT3に劣るものの、パワーとトップスピードでこれを凌ぐ新GT2カテゴリーを新設することを表明。2019年9月現在はドイツ自動車メーカー2社がこれに対応したレーストラック専用モデルを製造している。
今回、公式戦デビューが決まったアウディR8 LMS GT2はそのうちの1台で、スペインのカタロニア・サーキットで今週末行われる、ブランパンGTスポーツクラブの一戦にジェームズ・ソフロナスのドライブで初登場する予定だ。
なお、ジェントルマン向けの同レースにおいて、GT2カーのエントリーはソフロナス駆るアウディのみ。当初はこのレースが、7月末のスパ・フランコルシャン24時間レースのサポートレースとして行われた『ポルシェ911 GT2 RSクラブスポーツ』と『ポルシェ935』によるシングルメイクレース後、初めて開催されるGT2のマルチメイクレースとなる予定だった。
しかし、ブランパンGTシリーズ/同エンデュランスカップ最終戦バルセロナのサポートレースとなる今戦にはアウディR8 LMS GT2以外のエントリーがなく、新GT2カーによる初のコンペティションの実現とはいかなかったようだ。
同レースには7月末にベルギーのクラシックコースで行われた“ポルシェモータースポーツ GT2スーパースポーツカー・ウイークエンド”と呼ばれるシングルメイクレースにも参加していたソフロナスの他、GT3カーを駆る14名の選手が参加予定。イベントは28日(土)にプラクティスと予選、さらにレース1を実施。翌29日(日)はレース2が行われる。
なお、この週末には開催地のバルセロナで、アウディとポルシェに続く第3のGT2メーカーが明らかにされる予定だ。