IR建設投資 最大5500億円 長崎県が基本構想案

 長崎県は26日、県と佐世保市がハウステンボス(HTB)への誘致を目指しているカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の基本構想案を明らかにした。昨年4月に県と有識者がまとめた基本構想で約2千億円としていた建設投資額を約3200億円~5500億円としたほか、巨大なホテルと国際会議場、展示場の併設を条件とするIR整備法施行令を受け、国際会議場の収容人数も同施行令が示した3パターンのうち最大の「1万2千人以上」とした。アジア地域の成長力を引き込む九州のゲートウェイなどをコンセプトに、アジア屈指のリゾートMICE(コンベンション)施設と位置付けている。
 基本構想案は10月1日に県ホームページで公開し、IR事業者から事業計画を募集する。IR整備法、ギャンブル依存症対策法を踏まえ、来年3月までに基本構想を策定する。事業者を来年秋ごろ選定し、2024年開業を目指す。
 26日の県議会総務委員会で示した。それによると、IR区域は31ヘクタール。ホテルの客室総面積は同施行令が示した「10万平方メートル以上」とし、展示場の床面積は「2万平方メートル以上」とした。国際会議場は大会議室を「6千人以上」、分科会などで使う中小会議室を「6千人以上」としている。集客人数、経済波及・雇用創出効果は事業者の提案を踏まえ、算定する。
 日本や九州の伝統・文化・芸能を発信し、マリンリゾートとしてHTBのマリーナやハーバーを活用。災害時にはMICE施設を避難施設とし防災拠点にする。依存症・治安維持対策として日本居住者から入場料6千円を徴収。マイナンバーカードで本人確認し、依存症対策として家族らの申告で入場を禁止する。空港の機能強化など交通インフラ整備などを課題に挙げた。
 IR整備は最大3カ所で長崎県と大阪府・市、和歌山県、横浜市の4地域が誘致を表明。北海道、東京都、千葉市、名古屋市も検討している。

© 株式会社長崎新聞社