水質改善に福島県技術 ベトナムで浄化槽整備、10月から本格実証

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浄化槽について説明する(左から)本多社長、田原社長、菊池社長=ベトナム・フンイェン省のエコパーク

 福島県の3社がベトナムで取り組む大型浄化槽の整備が完了し、10月にも普及に向けた本格実証に入る見通しとなった。急速な経済成長と都市化に伴い、深刻化している水質汚濁の解決に向け、日本独自の生活排水処理技術である浄化槽を広く普及させ、ベトナムの環境改善に役立てる狙い。

 浄化槽の普及に取り組んでいるのは、環境分析研究所(福島市)と昭和衛生センター(南相馬市)、カンスイ(塙町)の3社による共同企業体。ハノイ市に隣接するフンイェン省にある富裕層向けの住宅団地エコパーク内に250世帯、約千人の生活排水を浄化できる大型の浄化槽装置を整備した。10月から約1年間をかけ、この設備が現地の気候や価格水準に合っているかなどを検証する。

 導入後も現地で設備を維持・管理していくための体制や、技術を普及させるのに必要な法制度の構築も併せて進める。現地関連省庁への働き掛けを強めるなどして、下水道と同等の処理能力があり、短期間で設置できる浄化槽を導入する有用性について理解を広げる。生活排水処理に関する日本の独自技術がベトナムに適した形で定着すれば、同国への進出を目指す日本企業にとってもビジネスチャンスになり得る。

 急速に都市化が進むベトナムでは、排水処理設備の整備が追い付かず、上下水道や処理場施設の整備が喫緊の課題となっている。こうした状況を受けて、3社は2014年度に国際協力機構(JICA)の支援制度を活用して調査に着手し、昨年から実証事業を行っている。総事業費は約1億円。

 ◆JICA調査団視察

 ベトナム進出を検討する県内企業などでつくる国際協力機構(JICA)の民間連携理解促進調査団は26日、エコパークで浄化槽整備の取り組みを視察した。環境分析研究所の菊池美保子社長、昭和衛生センターの田原義久社長、カンスイの本多幸雄社長が現地で事業について説明した。

 調査はJICA東北の主催、郡山市の共催。県内の参加企業次の通り。

 アルコップ(郡山市)こころネット、インターコネクトテクノロジーズ、牛坂測量(福島市)