ドローンで商品 お届け 五島市が物流実証 福江島のスーパーから赤島、黄島へ

福江島のスーパーに注文し、ドローンで空輸された商品をスタッフから受け取る島民(中央)=五島市、黄島

 五島市は26日、商業施設などがある福江島と、二次離島の赤島、黄島を小型無人機ドローンで結び、生活物資などを空輸する無人物流実証事業を報道機関に公開した。黄島では、住民が福江島のスーパーに注文した巻きずしがドローンに載せて届けられた。9月30日と10月1日の2日間は、遠隔操縦の様子を市役所1階ロビーで市民に公開する。
 市の5カ年計画「ドローンi-Landプロジェクト」の一環で、来年度中の実用化を目指している。今回の事業期間は10月4日までの10日間。
 ドローンは、福江島南東部にある塩津漁港(上崎山町)を発着点として、約8~9キロ離れた塩津-黄島、塩津-赤島間を1日2往復ずつ離陸から着陸まで自動で飛行する。最大で重さ1.7キロの荷物を運べる機体で、飛行時間は片道15分程度という。
 今回は福江島にあるスーパーやホームセンター、洋菓子店など5社の協力を得て、計200点以上の商品を集めたカタログを作成。赤島と黄島の住民は、ドローンが飛び立つ2時間ほど前までに、好きな商品を選んで注文すると、ドローンで届けてもらうことができる。各店舗から塩津漁港までは陸路で運んだ。
 26日正午ごろ、黄島から巻きずしを注文した中村長久さん(77)は「昼食に食べたい。食料品が注文できると重宝する」と笑顔で商品を受け取った。黄島町内会長の山下雅真(がしん)さん(59)は「漁の道具や医療品など急に必要になった物を、福江に行かず買えるようになればありがたい」と実用化に期待した。
 市が運航管理業務などを委託するANAホールディングス(東京)の保理江裕己さんは「福江空港にはANAの旅客機も就航しており、将来的には空港との連接も検討していきたい」と話した。

商品を入れた箱を、ドローンに取り付けるスタッフ=五島市、塩津漁港
商品を搭載したドローンが、岸壁に到着するのを待ち構える島民(手前)

© 株式会社長崎新聞社