消費税増税へ価格表示に工夫 税率明記、色で区分… 県内の小売り各社で動き

税率を表示した新しい値札に替える店の関係者=長崎市小江原4丁目、まるたか生鮮市場小江原店

 10月1日の消費税増税に向け、県内の小売業でも価格表示を工夫する動きが広がっている。外食や酒類を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率制度の開始に伴う顧客の混乱を避けようと、値札に税率を明記したり色を変えたりと表示方法を見直している。一方、税抜き、税込みのどちらかに表示を切り替える企業もあるなど対応が分かれている。
 県内でスーパー19店舗を運営する丸高商事(諫早市)は今月10日ごろに、飲食料品の値札を取り換える作業を始めた。税抜き価格と税込み価格の併記は継続しながら、新たに8%と10%のどちらの税率が適用されるかを明記する。担当者は「税率が一目で分かるようにし、お客さんが混乱しないようにした」と話す。小江原店では26日、店員が菓子コーナーなどで取り換え作業に追われていた。
 県内9店舗の生活協同組合ララコープ(西彼長与町)も価格表示は丸高商事と同様。さらに税率によって値札全体の色を変えて、買い物客が分かりやすいように工夫した。
 長崎市内でスーパー11店舗を展開するジョイフルサンアルファ(同市)は、税抜き価格のみの表示は変えずに、税率の表示を加える。
 大型商業施設ゆめタウン夢彩都(長崎市)などを運営するイズミ(広島市)は、これまで税抜きと税込み価格を併記していたが、「本体価格+税」の税抜き表示に変更する。表示を統一することで顧客の混乱を防ぐのが狙い。軽減税率対象の商品には「*」を付ける。
 一方、通販大手、ジャパネットたかた(佐世保市)は、食品などを含む商品の価格表示を全て税込み価格へ変更する。これまでは税抜きと税込み価格を併記していた。
 商品の価格表示については、消費税額を含んだ総額表示にすることが義務付けられている。ただ、時限措置として2021年3月末までは税抜き価格のみの表示も認められており、当面は対応にばらつきが出そうだ。

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