ラグビーW杯、アイルランドから車に乗ってはるばる応援に

アイルランドから運転してきた車の横で笑顔を見せるヘファーナン夫妻=横浜市中区

 ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で母国を応援するため、アイルランドからはるばる車で駆け付けた夫妻がいる。へファーナン・ピージェイさん(52)、モーリンさん(51)が約1カ月間で駆けた走行距離は1万4600キロに上る。「日本は美しく、人々はフレンドリー」。滞在中、日本文化や日本人と触れあう機会を楽しみにしている。

 「左側通行だったのは母国と日本だけ。まるで、ホームに来たような気持ちになったよ」。2人は右ハンドルの運転席から笑顔を見せる。

 母国西部の町、クリフデンを8月19日に出発。フランス、ドイツ、ロシアなどを経て、写真撮影などに応じるなど道中で交流を楽しんできた。10カ国目の日本には今月20日、韓国から船で鳥取県境港市に入国した。

 横浜には21日に到着。翌22日のアイルランド-スコットランド戦は大勢のアイルランドサポーターとともに日産スタジアム(横浜市港北区)で観戦した。アイルランドは快勝。ピージェイさんは「チームは調子がいい。(28日の)日本戦は勝った方が1次リーグをトップ通過するのでは」と話す。

 4人の子どものうち長男(24)がイングランド2部リーグでプレーする。前回のW杯イングランド大会は車で駆け付けて5試合をスタジアムで観戦した。「試合が終わると、敵味方の関係なくサポーター同士が握手し、仲良くビールを酌み交わすことが楽しい」。4年後の日本大会も車で行くことを決めた。

 シーフードレストランのオーナーシェフを務め、来日中は子ども2人に任せている。「本場で食べるすしは格別だね。ラーメンも」と、日本での食事も気に入った様子だ。

 日本でも車で移動する。28日に静岡スタジアムで行われる日本戦に続き、10月3日の神戸でのロシア戦を観戦し、飛行機で帰国する予定。16年前に購入し、今回の長旅で活躍した車は寄付しようと考えている。

 「4年後のフランス大会では、長男が代表選手として出場できれば夢のようだね。でも今回、アイルランドが決勝に勝ち上がったら、再来日するかも」と笑った。

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