マリナーズ退団濃厚のヘルナンデス 今季最終登板は6回途中3失点

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マリナーズ一筋15年、決して強豪とは呼べないチームのエースとして奮闘してきたフェリックス・ヘルナンデスが、マリナーズの一員としての最後の登板を終えた。日本時間9月27日、本拠地T-モバイル・パークで行われたアスレチックス戦。「キング」と呼ばれた右腕の雄姿を目に焼き付けるべく、多くのマリナーズファンが球場に足を運んだ。試合は1対3でマリナーズが敗れ、6回途中3失点のヘルナンデスは今季8敗目(1勝)を喫したが、「キング」の最後に相応しく、球場は温かな雰囲気に包まれていた。

33歳のヘルナンデスは、今季限りでマリナーズとの契約が終了し、今季終了後にフリーエージェントとなる。故障と戦いながらのシーズンとなった今季は、15試合に先発して1勝8敗、防御率6.40という成績。昨年7月1日(現地時間)以降の26度の登板(うち25先発)では1勝16敗、防御率6.38に終わり、最後まで全盛期の輝きを取り戻すことはできなかった。

「僕はキャリアの全てのシーズンをシアトルで過ごしてきた。ここで過ごした15年間は本当に楽しかったよ」と自身のキャリアを振り返ったヘルナンデス。これまでに積み上げた通算2524奪三振は歴代36位の数字であり、先発登板数(418)、勝利数(169)、投球イニング数(2729回2/3)などの各部門で球団記録保持者となっている。ヘルナンデスは、マリナーズの一員として通算2500奪三振と完全試合を達成し、サイ・ヤング賞も受賞しているが、この3つを1つのチームだけで成し遂げた投手は、メジャーリーグの長い歴史のなかでヘルナンデスただ1人である。

スコット・サービス監督は、5回終了時点で球数が100を超えていたヘルナンデスを6回表のマウンドへ送り出したが、これは球場全体がヘルナンデスへ大歓声を送る場を作るための、指揮官の粋な計らいだった。6回表も続投させ、打者1人を打ち取ったあとで交代を告げれば、ヘルナンデスは大歓声を浴びながらマウンドを降りることができるというわけだ。

交代を告げられてマウンドを降りる際、監督やチームメイトと抱擁を交わしたヘルナンデス。チームメイトとして長きにわたってともに戦ってきたカイル・シーガーと抱擁を交わしたとき、両者の目には涙が浮かんでいた。しかし、ヘルナンデスのキャリアが終わったわけではない。ヘルナンデスは「マリナーズがどのようなプランを持っているかはわからないけど」と前置きしつつも、「引退するつもりはないよ」と来季以降の現役続行に意欲を見せた。