岸谷五朗主演「天」の続編決定! 伝説の雀士・赤木しげるの最期を描く

2018年にテレビ東京系で放送された、ギャンブル漫画の巨匠・福本伸行氏原作のドラマ「天 天和通りの快男児」の続編が、年末に特別ドラマ「天 赤木しげる葬式編」(放送日時未定)として放送されることが決まった。主演は前作でも主人公の天貴史を演じた岸谷五朗が務め、井川ひろゆき役を古川雄輝、赤木しげる役を吉田栄作が引き続き演じる。

己の命とプライドとを懸け代打ち麻雀に挑んだ天貴史(岸谷)、井川ひろゆき(古川)。物語は死闘ともいえる東西戦から3年、ひろゆきのもとに、伝説の雀士・赤木しげる(吉田)の告別式を報せるメールが届くところから始まる。「親しい者たちで通夜を執り行う」と言われ、戸惑うひろゆきの前に現れた喪主は、なんと赤木自身であった。ぼうぜんとするひろゆきに、赤木は「俺はあと数時間のち、死ぬ手はずとなっている」と告げる。その場に集められた、東西戦で相まみえたメンバーが、赤木との最期の対峙(たいじ)に挑む。

天貴史役の岸谷は、「赤木の死というのは『天』の作品の中でも特別だと思います」との思いがあるという。「角度を変えて『天』の1巻から見ると原作の福本先生の成長がすごく見える作品だなと思うんです。福本先生ご本人もおっしゃってたんですけど、少しコメディーな感じで始まった1巻からいろんなことが起きて変化が生まれて、最後は人の生死というシリアスなもので『天』は終わっているんですよね。それがこの作品の魅力で福本先生自身の人生を大きく変えた作品だと思うんです。たくさんのヒット作をお持ちですけど、この『天』に関しては特別な意識が福本先生の中にはあるのではないかと思います。その作品の一番最後の部分はやはりやるべきだと思うんです。赤木の死ではあるんですが…」と本作が作られた意味を推理した。

そして、「麻雀というすごく深い勝負の世界を通った後の話なので、赤木と激闘を交わしたメンバーたちが、赤木の死に対してどう彼を止めるのか? またはどう彼の死を受け入れるか。そして赤木ならではの人生の判断の仕方もあると思います。本当にさまざまな生き方がぶつかり合うので、楽しみにしていただければと思います」と視聴者へのメッセージを送った。

そして、今回重要な役どころとなる赤木しげる役の吉田は「打ち上げの時に、もし連続ドラマがうまくいったら、『赤木の葬儀編をやってください』と言ったと思うんですよね(笑)。僕のその言霊がきっと麻雀の神様に届いたのかなと思いました」と感慨深げ。「連続ドラマの時は、あれはあれでやりきったなという感覚はありました。最後には負け方がカッコイイ男を演じてほしいと言われてましたので、前回は演じきれたのかなと思います。赤木はどこか自分と重なるような部分もあるような気がしていて、今回も自分が自分じゃなくなることを一番嫌っていると思うんです。自分の生き方みたいなものを投影していけるのかなと思っています」と赤木というキャラクターと自らを重ね、「赤木と重なる部分をストレートに表現することで勝負するしかないと思っています」とコメントした。

また、原作者である福本氏は、自身の作品でも指折りの重要なキャラクターである赤木の最期のドラマ化について、「洞窟の中で小さな明かりがともり、それがホントに少しずつフワ…と広がるように、アカギの自由さ、暖かさ、賢明さが、今回のドラマ化で世界に広がっていけば、みんなが少しだけ生きやすくなるんじゃないか…。そして、それは少しだけまわりに優しくでき、少しだけ後悔のない人生を歩める…かもしれない。このドラマがそんな生き方のキッカケになれたら幸せです。少しずつ、頑張りましょう。アカギのようにはいきませんが。われわれはわれわれなりに」と思いをつづった。

そのほか、原田克美役の的場浩司、僧我三威役のでんでん、浅井銀次役の田中要次、五十嵐健役の星田英利が続投、金光修蔵役で田山涼成が初出演することも決まった。さらに同作は、動画配信サービス・Paraviで11月11日に完全版として先行配信を行う。

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