鎌倉野菜に魅せられ アジカン・伊地知 新レシピ考案へ

収穫した夏野菜を手にする伊地知さん

 ロックバンド「アジアン・カンフー・ジェネレーション」のドラマー・伊地知潔さん(42)が、鎌倉市内の自宅で野菜作りに挑戦している。レシピサイトで連載を持つなど料理好きとしても知られる伊地知さん。地元で取れる「鎌倉野菜」に魅了され、「野菜を知ることで発明した自分のレシピで、鎌倉を盛り上げたい」と大きな夢を抱いている。

 伊地知さんが野菜作りに興味を持ったのは、近所で暮らす友人が庭で育てたジャガイモなどを食べたのがきっかけ。香りの強さ、味の濃さに驚き、「自分も」と思い立った。

 今春、専門家の助けを借りながら、5平方メートルほどの敷地で土作りからスタート。まずは初心者向けのレタスにチャレンジし、その後はトマトやキュウリなどの夏野菜、今はニンジンなどの秋野菜を育てている。

 「自分が作ったものを『おいしい』と喜んでもらえたことがうれしくて」と料理にも熱中している伊地知さん。レシピサイトの連載のほか飲食店から新メニューの考案を依頼されるなど、その独創性は一目置かれている。

 伊地知さんは「音作りと料理、野菜作りは、つながっている」と強調する。例えば「ステージ上での即興演奏と、調理中に新しい味付けのアイデアを思い付くのは、同じ反射神経で対応している」。一方で、「予測で動くことも重要」という。「天気を予測しながら水やりなど野菜の成長に必要な世話をするときと、メンバーの演奏を予測しながら自分の演奏の準備をするときは同じ頭を使っている」

 野菜作りはまだまだ初心者。だが夢は大きい。「自分で育てることで鎌倉野菜を知り、その特徴を生かしたレシピを発明したい」。そして「自分のレシピで、鎌倉を盛り上げられたら」と思いをはせている。

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