話題の日韓関係。改めて韓国の政治・選挙制度を振り返ってみよう。

昨今、徴用工問題やGSOMIAを巡る問題で、日韓関係が話題になっています。各メディアでは様々な視点から見解が述べられていますが、韓国の選挙制度はよくわからないという方は多いのではないでしょうか。知っているようで知らない隣国。今回は改めて韓国の政治・選挙制度についてまとめてみます。

韓国の大統領選の選挙制度・大統領

韓国は、日本と違い大統領制が採用されている国であり、現在は19代目となる文在寅大統領が2017年より政権を担っています。
韓国の大統領の任期は5年と長めですが、再選は禁止されています。満40歳から大統領へ立候補でき、投票は19歳から可能です。韓国は年齢を数え年で計算する文化であるため、韓国国内の年齢で考えれば20歳から選挙権が与えられることになります。

同じ政治制度ではない。韓国の選挙制度を日米と比較してみると…?

一言に大統領制といっても、その任期から選ばれ方まで国ごとに様々であり、各国ごとにそれぞれの政治制度を持っています。
大統領制と聞いて思い浮かぶ国はアメリカだと思いますが、韓国は、アメリカのように有権者が選挙人を選び、選ばれた選挙人が大統領を選ぶ「間接選挙」ではなく、有権者が大統領を直接選ぶ「直接選挙」で決まる選挙制度を採用しています。

一院制である韓国の国会。国会議員選挙の選挙制度は?解散はある?

韓国は民主化の歴史が浅いため、ここ数十年で目まぐるしく政治制度が変化しており、二院制が採用されていた時代もありました。現在は一院制を採用し、選挙制度として、日本の衆議院と同じ小選挙区比例代表並立制を採用しています。議席数は、300名のうち小選挙区制により253名、比例代表制により47名という割合です。比例代表制で選ばれる割合は、日本が4割弱に対して韓国は2割弱と少なく、小選挙区制で選出された議員が多い特徴があります。また、日本と違い大統領には議会を解散させる権限はなく、解散はありません。

議会構成はどんな状況? 与党・野党は何党?

今年8月2日に第20代国会が開かれ、現時点で合計議席数は297、その内地方区から250議席、比例代表から47議席となっています。
現在の議会第1党の与党は「共に民主党(더불어민주당)」で、全体の約4割にあたる合計128議席を持っており、文在寅大統領の所属政党でもあります。また、野党は全部で6党あり、野党の第1党を担うのが全体に対して4割弱、「共に民主党」と28議席差の「自由韓国党(자유한국당)」です。

今後について

韓国の大統領支持率は9月1日に行われた支持率調査によると、現在支持率は4週連続下降しており43%であるのに対し、不支持率は3週連続49%と不支持率が支持率を上回っているのが現状です。文在寅大統領に対する不支持率は今年の3月に就任後初めて50%を超えたのち50%前後を移動していますが、支持率も同様に50%前後で維持しているためここ1ヶ月の変化が今後に響くものであるのかもう少し見守る必要があるでしょう。文在寅大統領が無事任期満了を迎えた場合、韓国の新大統領選挙は2022年に執り行われる予定です。
国会議員選挙に関してはすでに開催日程も発表されており、来年2020年の4月15日に第21代国会議員総選挙が行われる予定です。議会構成にどのような変化が起こるのか注目です。

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