村上日本新で12位 世界重量挙げ男子109キロ超級 

ジャークの3回目で230キロに成功した村上英士朗=パタヤ(共同)

 【パタヤ(タイ)共同】重量挙げの世界選手権最終日は27日、タイのパタヤで行われ、男子109キロ超級の村上英士朗(銀盤酒造)はスナッチ185キロ、ジャーク230キロのトータル415キロで12位だった。ジャークとトータルで自身の日本記録をそれぞれ更新した。

 2016年リオデジャネイロ五輪105キロ超級金メダルのラシャ・タラハゼ(ジョージア)がスナッチ220キロ、ジャーク264キロ、トータル484キロと自身の世界記録を全て塗り替え、105キロ超級と合わせて4連覇した。

 また第9日は26日行われ、女子87キロ級の嶋本麻美(金沢学院大職)はスナッチ100キロ、ジャーク122キロのトータル222キロで9位だった。

 ■会心ジャーク「100点」

 村上は最終試技で会心のジャークを決めた。1、2キロ軽くする選択肢もあったが、目標だった230キロ挑戦を志願し、自己ベストを一気に3キロ上回った。トータルでは日本記録を1キロ更新し「100点です」と笑顔で振り返った。

 5月の全日本選手権後にロシアで武者修行。1週間で通算75トンを持ち上げる猛練習を積んだ。フォームが安定するようになり、7月の日中韓友好大会で自らが持つジャークの日本記録を更新した。

 この日もスナッチの2回目で重心が前に傾いて失敗したが、フォームを修正し3回目で成功した。精神面での成長も実感しており、調子の波が「最近は安定している」。村上を指導する佐藤公治監督も「着実に力がついてきている印象だ」とたたえた。

 パワーは外国勢に劣ると自覚しており「体づくりが大事だと改めて思った」と、世界の大舞台を経験したことで、さらなる成長に意欲を見せた。

© 株式会社北日本新聞社