【MLB】“意図的落球”→直後に200奪三振で物議 大台到達の左腕は「落とせと叫んだ」

200奪三振を達成したレンジャーズのマイク・マイナー【写真:Getty Images】

MLB公式サイトも特集「『エラー』の助けを借りて200奪三振」

■レンジャーズ 7-5 Rソックス(日本時間27日・アーリントン)

 レンジャーズの左腕マイク・マイナー投手が26日(日本時間27日)の本拠地レッドソックス戦でシーズン200奪三振に到達した。シーズン最終登板でギリギリで自身初の大台に乗せたが、その直前に一塁手が意図的にファウルフライを落として“アシスト”したことに批判が殺到。問題の場面を米スポーツ専門メディア「ESPN」が動画で公開するなど、物議を醸している。MLB公式サイトも「マイナーが『エラー』の助けを借りて200奪三振」とのタイトルで特集し、マイナーが「(フライを)落とせと叫んだ」と明かしたことも伝えている。

 マイナーはこの試合で200奪三振まで残り「1」として9回のマウンドに上がった。1死走者なしでオーウィングスを打席に迎えると、カウント1-1からスイングした打球は一塁側ファウルグラウンドへの飛球に。すると、一塁手グズマンが捕球態勢に入りながら、グラブを下げて打球を見送った。これで2ストライクと追い込んだマイナーは、内角高めへのやや外れたように見えるコースへ4球目を投じ、主審はストライクと判定。200奪三振を達成し、マウンドを降りた。

 だが、「ESPN」公式ツイッターが落球から三振奪取までの一連の流れを動画を公開すると、ファンからは「恥ずかしい」「偽の記録」などと批判が続々。MLB公式サイトも特集を組み「この試合の9回にマイナーは、レッドソックスの内野手クリス・オーウィングス相手に200奪三振を記録したが、これが試合後にちょっとした話題となっている。マイナーがこの三振を奪ったのは、一塁手のロナルド・グズマンがわざとファウルのポップフライを落とした後であったからだ」と伝えた。

レッドソックスは三振させないようにしていた!? 8回は3球で攻撃終了

 マイナーは特集の中で「僕は(捕手の)トレビノを見て、彼は僕を見た。僕らはボールがどこに落ちるかを見た。これを落とせば、2ストライクになる。だから、僕は、グズマンに落とせと叫んだ」とその瞬間について振り返っている。マイナーからの“指示”でグズマンは打球を落としたというのだ。

 この行為に対して、レッドソックスのアレックス・コーラ監督は「僕には分からないな。僕は、自分のチームが正しく試合をしたのでハッピーだよ。最後まで、一生懸命プレーした」と皮肉交じりに“非難”したという。一方で、レンジャーズのクリス・ウッドウォード監督は、レッドソックスがマイナーに三振を取らせないため、意図的に初球をスイングしていたと振り返っている。実際に、マイナーは8回をわずか3球で終えている。

 指揮官は取材に対して「監督として、(それを見ることは)とても苦痛だった」「最後にポップフライを落としたことは、好ましいアイデアだとは思わない。ただ、一方で、彼らは、8回に3球連続でスイングした。なにか問題があるなら彼らのほうだ。コーラは明らかにそうだった。彼らは試合に勝つ努力をしなかった。彼らは、マイナーに三振を奪わせないようにしたんだ」と主張。また、マイナーも「彼らが何をしようとしているのかは分かっていた。彼らはそのことについて笑っていた。ブロック・ホルトは、僕らのダグアウトのほうをみて笑っていた。僕は気にしなかったけどね。ただ、彼らがスイングしていたから、彼らのバットが当たらないところに投球しないといけないと思った 」と振り返ったという。レッドソックスの選手たちの本心はわからないが、少なくとも本人は“悪意”を感じ取っていたというのだ。

 記事によると、見逃し三振の判定に納得できなかったオーウィングスはダグアウトに戻る時に審判に文句を言い、ウッドウォード監督は「マイクをとても誇りに思うよ」と語ったという。今季はこれが最終戦となった両チーム。来季、何らかのトラブルがなければいいが……。(Full-Count編集部)

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