内証で何が

©株式会社長崎新聞社

 「内緒の話」の内緒はもともと「内証」で、心の内で得た真実のことらしい。やがて何かを内々に秘めておく、という意味になり、家の表ではなくて奥にある所、つまり台所や勝手口も指すという▲人に見えない奥の方、内証で何があったか。関西電力の会長らが2017年までの7年間、関電の原発がある福井県高浜町の元助役(故人)から3億円超の金品を受けていたことが、税務調査で分かった▲社長が会見したが、“内緒の話”は今も内緒なのか、話がよく分からない。元助役は原発の誘致に深く関わり、退職後も有力者だったらしい。とうに助役を辞めた人が、なおも幅を利かせて何をしたかったのだろう▲原発関連の工事を請け負う会社から元助役へ、億単位の「手数料」が流れたという。手数料とは何だろう。元助役から関電役員へ「お世話になっているから」と金品が渡ったらしい。どういうことだろう▲金品を返そうにも拒まれ、「保管していた」というが、税務調査が始まると返すようになった。調査がなければどうしたのか。疑問符がいくつも浮かぶ▲電力会社が地元に工事を発注し、潤った分がやがて電力会社の側に回ってくる。そんな「還流」があったかどうか。内証が明らかにされないと、原子力事業そのものへの信頼が地に落ち、地中に埋もれる。(徹)