石木ダム反対住民との面会 佐世保市長が難色

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、中村法道知事と面会した反対住民が涙ながらに計画中止を訴えたことについて、朝長則男市長は27日の会見で「情緒的な問題として思いは理解する」と述べる一方、手続きは「法にのっとって進めている」と強調した。自身と反対住民の面会は「司法の場でそれぞれが主張するべきだ」として難色を示した。
 石木ダムを巡っては、県と市が反対住民13世帯の未買収地約12万平方メートルの権利を取得。取得時期となった19日、中村知事は県庁で反対住民と面会した。
 朝長市長は面会の状況について「コメントできるだけの情報をもっていない」と前置きした上で、反対住民の思いを察した。自身との反対住民との面会や討論会は、計画の是非を巡り係争中として拒んだ。
 県側がダムの完成目標年度を現行の2022年度から3年程度遅らせる方向で検討していることについて、朝長市長は「事前に私は聞いていない。市水道局にも正式にそういう話はなかった」と述べた。

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