「松島のために」黒子役に徹する アイルランド戦へ稲垣

稲垣啓太選手

 ラグビーのワールドカップ(W杯)日本大会で1次リーグA組の日本は28日に優勝候補のアイルランドに挑む。ともに初戦に勝利して迎える第2戦。27日は試合会場の静岡スタジアム(静岡県袋井市)で両チームが最終調整した。

 日本代表キャップ30という節目をロシア戦の快勝で飾った稲垣=パナソニック、関東学院大出身=は、アイルランド戦でも黒子役に徹する覚悟だ。

 この日の会見で、2トライ宣言の松島の話題を振られ、「新潟工高時代は花園で鮮やかなトライを奪った稲垣選手はどうですか?」と聞かれると、「僕、代表にいて一度も(トライを)したことないんですね。トップリーグでも2回しかないんです」とポツリ。

 それでも、「(松島の)存在は心強いですよね。トライが取れないわけじゃないですがFWは彼らのために仕事をする」と割り切って、強豪からの代表初トライよりも、仲間を支えることにラグビー選手としての生きがいを見いだしている。

 稲垣にとってアイルランドとは2年ぶりの再戦。前回はスクラムで反則を繰り返して失点につながっただけに、「ティア1(伝統国で構成される階級)を相手に戦うにはスクラムでペナルティーをいかに与えないか。アグレッシブに攻めるように組んでいきたい」。背番号1が要を担うセットプレーが、大金星獲得への大きな鍵になる。

© 株式会社神奈川新聞社