迫る消費税10% 長崎県内「駆け込み」ピーク 事業者 軽減税率、混乱回避へ準備

消費増税前の最後の週末に日用品などを買い求める人たち=長崎市岩見町、MrMax長崎店

 消費税率引き上げが迫り、長崎県内の消費もようやく伸びてきた。増税前最後の週末を迎えた28日、量販店などでは買いだめに走る市民も見られた。一方、複雑な軽減税率制度が適用される事業者は、価格の見直しや客への周知などで混乱を避けようとしている。
 長崎市岩見町のディスカウントストアMrMax長崎店では開店直後から、トイレットペーパーや洗剤などの日用品、ビールをまとめ買いする家族連れで混雑した。関係者は「ここ1週間で駆け込みが加速している」と言い、今週末がピークとみる。時津店と合わせて家電が前年同期に比べ6割強、日用品が3割強、軽減税率適用外の酒類が3割増え、「消耗品や生活必需品に伸びが集中している」。カーナビなど車用品は3倍に達した。
 浜屋百貨店(同市)も2週連続3連休を機に売り上げが「加速度的に増えている」。アクセサリーが6割増、家具が5割増、化粧品は2割増。だが秋冬物の衣料品は想定を下回り、「何もかも売れた前回増税時ほどではない」という。
 させぼ五番街(佐世保市)は9月中旬以降、例年より1割程度増え、「ぎりぎりまで駆け込みに備える」。気にするのは増税後の消費冷え込み。そこで10月4、5の両日、独自のプレミアム付きギフト券を販売する。1セット1万円で1万2千円分の買い物ができ、計600セット用意した。
 一方、長崎市内の呉服店は「駆け込みはない」。永田宝石店(佐世保市)は1割増で「前回は増税幅が大きく、駆け込みも反動減もあった。今回はそれほどの影響はない」と予想する。
 軽減税率で食品の持ち帰りは8%、外食は10%と分かれる。県内スーパー9店舗を展開する生活協同組合ララコープ(西彼長与町)は、イートインコーナーで飲食すると10%になるため、本体価格を下げ、持ち帰り品と統一する。みらい長崎ココウォーク(長崎市)はフードコートの大型モニターで「店内飲食は10%」と周知を図る。
 諫早市内の菓子店は、補助金のある軽減税率対応レジを7月に発注したが、「生産が追い付かない」と言われ、まだ現物が届いていない。薬局では栄養機能食品が8%、医薬部外品が10%と混在する。長崎市内に複数店舗を持つ事業者は、非対応レジも残っているため10%商品をリスト化。「店員に覚えてもらうが、当面レジの打ち間違いはやむを得ない」と話した。

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