キャラバン「希望の火」 平和の願い込め出発 法王来日時ミサ会場に届ける

「ナガサキ誓いの火」を前に、「組曲 希望の火」を披露するメンバー=長崎市、浦上天主堂

 ギリシャ・オリンピアから1983年、被爆地長崎に贈られた「ナガサキ誓いの火」を携えて全国を巡り、11月のローマ法王来日時に東京で開かれるミサの会場に平和への願いを込めた「希望の火」として届けるキャラバンが28日、長崎市を出発した。27日夜には同市本尾町の浦上天主堂で前夜祭「平和のキャンドルナイト」が開かれ、宗教を超えて平和を祈った。
 NPO法人「アースキャラバン」(京都市)が主催。キャラバンメンバーは今後、九州から広島、京都などを自転車で巡り、ミサの会場に「希望の火」として届ける。その後、世界各国を回る予定。
 前夜祭では、女優の木内みどりさんが原爆の惨禍を描いた絵本を朗読したほか、仏教、キリスト教、ユダヤ教のメンバーによる「組曲 希望の火」の合唱などがあった。最後に参加者一人一人が「ナガサキ誓いの火」がともったキャンドルを手に、静かに祈りをささげた。
 アースキャラバン長崎事務局の新海智弓実行委員長は「浦上は原爆で破壊されたが、恨みではなく祈りで再建を果たした。ここから始めることに意味がある。祈りのエネルギーを希望として世界に届けたい」と話した。
 キャラバンメンバー約20人は28日、大浦諏訪神社、大浦天主堂、妙行寺のある同市相生町の“祈りの三角ゾーン”から自転車などで出発した。

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