「まだ若い、失敗もある」 横浜高野球部 部長、監督解任

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◆神奈川の高校野球界 不安視も

 昨夏まで神奈川大会を3連覇し、甲子園春夏5度の優勝の名門・横浜を2015年秋から率いてきた金子雅部長と平田徹監督が解任され、県内の野球部指導者らに衝撃が走った。一方、2人の恩師である渡辺元智前監督(74)や小倉清一郎元部長(75)も言葉を選びながら、母校の野球部再生への思いなどを口にした。

 「本当に何かショックですね。学校の判断も早いし、平田監督はまだ若い。失敗することだってある」。40代の指導者はここ数年、生徒との信頼関係を築く難しさも打ち明け、「誰のためになったのか。明日はわが身とも思ってしまいます」と言葉は少ない。

 平田監督と同世代の監督は、自主性を重んじる指導法に注目をしていたという。「名門を引っ張る、われわれには見えない苦労もあったんでしょう。若い指導者がどう新しい道を切り開いていくか。暴力問題は真摯(しんし)に受け止め、自主性、生徒との関係をどう構築していくのか、突き詰めないといけない」とかみしめた。

 50代のベテラン指導者は自身の経験を交えながら、今回の解任劇に思いをはせる。「暴力行為、暴言は許されることではないが、厳しくしても指導者と生徒が納得できていれば、そこに問題は起こらない。怒られた生徒をしっかりフォローする態勢、地盤がしっかり固まっていなかったのではないか」と投げ掛けた。

 神奈川の高校野球界を昭和、平成と引っ張ってきた名門。ある40代の指導者は「横浜と東海大相模が切磋琢磨(せっさたくま)することで、そこに何とか勝とうとして各校のレベルも上がっていった。これから、神奈川の高校野球がどうなってしまうのか」と不安を打ち明けた。

 また、甲子園出場経験もある別の私立校の監督は「伸び伸びとプレーさせている印象があっただけに残念。『自分たちは勝てなくてもいい』と割り切れればよかったが、『なぜ勝てないのか』と焦りが募っていたのだろう。野球を教える中でのコンセプトが明確でなかったのかもしれない」と語る。

 プロ野球に進むようなポテンシャルが高い選手が集まっているだけに、「『勝ち続けなきゃいけない』というストレスがたまっていたのかもしれない。しかし、横浜高校でなくとも、どの学校の監督にだって重圧はある。それを逃げにしてはいけない」と指摘した。