狂言の「人間国宝」山本東次郎が渾身の十二曲を選定! 自身が復曲した独り狂言「東西迷」を上演!

4月から1年間、 狂言方大蔵流の「人間国宝」の四世山本東次郎が、 東次郎家に伝わる曲の中から渾身の十二番を選び、 毎月自ら演じる。

山本東次郎家は、 江戸時代から「武家式楽」の伝統を継承する大蔵流狂言の家柄。 「乱れて盛んならんよりは、 むしろ固く守って滅びよ」を信条とし、 品格のある硬派な芸風を守り続けている。

通常、 能と一緒に演じられることの多い狂言。 その内容からシリアスな能に対してコミカルな狂言などと言われることもあるが、 単におもしろおかしいことをして笑わせるのではなく、 狂言は人間の機微を描いた心理劇であると四世東次郎は言う。

狂言のもつ普遍性は、 現代社会に生きる私たちに、 気づきや戒め、 ときに救いを与えてくれる。 そうした狂言への深い洞察と愛情がうかがわれるその表現は、 長年にわたり多くのファンを魅了し続けている。

第7回は、 2006年に東次郎自身が復曲した独り狂言「東西迷」を上演する。 人間心理の愚かさや葛藤をたった一人で演じ切るという狂言の表現様式を極めた演技で観客の想像力を大いに刺激する独り狂言。 山本東次郎の芸の神髄を堪能できる。 当日配布のパンフレットには、 選曲理由を綴った東次郎自身の文章を掲載する予定。

© 有限会社ルーフトップ