メクル第402号 エメラルドグリーン色の目の猛獣 ギャップにとりこ

日陰がお気に入りのキリ。光の具合で目がエメラルドグリーン色に光ってかっこいい=佐世保市船越町、森きらら

 小顔で、体はシャープ。足も尻尾(しっぽ)も長い。ライオンやトラなどネコ科の動物の中でも、速く走ることに適(てき)した体を持つ。ネコは足の爪(つめ)が出たり隠(かく)れたりするけど、チーターはずっと出たままで、走る時にスパイクの役割(やくわり)を果たす。スピードは時速100キロ以上。ただ、持久(じきゅう)力はないんだ。
 ヒョウやジャガーと似(に)ているけど、よく見ると全然違(ちが)う。まず、目の内側から口にかけて黒い縦(たて)ラインがある。体の模様(もよう)は黒丸。ヒョウは黒い花びらのような形をしていて、ジャガーはその花びらの中に黒い斑点(はんてん)があるよ。もう、見間違えないでね。
 森きららにいる「キリ」はオスの8歳(さい)。平均寿命(へいきんじゅみょう)は13歳らしいから、人間で言うと30、40代くらい。4きょうだいの末っ子で、性格(せいかく)はおとなしいんだって。
 目はクリクリ。光の具合でエメラルドグリーンに輝(かがや)くよ。よく見ると、上目部分にある毛が黒くて、バッサバサのまつげみたい。猛獣(もうじゅう)であることを忘(わす)れてしまうかわいさ。「鳴き声が何とも言えずとってもかわいいんです」と、飼育(しいく)スタッフの高尾久美子(たかおくみこ)さんもメロメロだ。
 でも、餌(えさ)の時間になると、やっぱり猛獣だと気づかされる。よだれダラダラ、牛肉や馬肉にがっついている。そのギャップが、みんなをとりこにする。

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