来シーズンは2人が2000安打に到達か? 日米で活躍の大ベテラン、リーグVの立役者…

阪神・福留孝介(左)、巨人・坂本勇人【写真:荒川祐史、Getty Images】

阿部、福浦が引退し来季の2000安打以上を打っている現役選手は内川、鳥谷だけ

 NPBのレギュラーシーズンも間もなく終了する。今季も偉大な実績を残した打者が引退したが、これによって来季の現役打者の安打数ランキングも大きく変わる。

 現役安打数2位の阿部慎之助(巨/2132安打)、4位の福浦和也(ロ/2000安打)が引退する来季の現役打者の安打数ランキングと、2000本までの残安打数、今季の安打数。

 数字は9月28日時点、阪神、ソフトバンクの選手は試合が残っているので安打数が増える可能性がある。

1内川聖一(ソ)37歳 2170安打/1976試合
(今年127安打)

2鳥谷敬(神)38歳 2085安打/2167試合
(今年19安打)

3福留孝介(神)42歳 1895安打/1864試合
(あと105安打 今年87安打)

4坂本勇人(巨)30歳 1884安打/1670試合
(あと116安打 今年173安打)

5栗山巧(西)36歳 1825安打/1847試合
(あと175安打 今年103安打)

6中島宏之(巨)37歳 1767安打/1682試合
(あと233安打 今年8安打)

7今江年晶(楽)36歳 1682安打/1704試合
(あと318安打 今年21安打)

8松田宣浩(ソ)36歳 1638安打/1635試合
(あと362安打 今年139安打)

9糸井嘉男(神)38歳 1624安打/1502試合
(あと376安打 今年120安打)

10青木宣親(ヤ)37歳 1591安打/1246試合
(あと409安打 今年145安打)

11中村剛也(西)36歳 1467安打/1664試合
(あと533安打 今年142安打)

12大島洋平(中)33歳 1442安打/1311試合
(あと558安打 今年174安打)

13坂口智隆(ヤ)35歳 1408安打/1382試合
(あと592安打 今年8安打)

阪神・福留、巨人・坂本が2000安打に現実味

 来季開幕時点で2000本を打っている現役選手は2人。阪神・鳥谷は去就が決まっていないが現役続行の意向を示している。来季、2000本に王手をかけそうなのが阪神・福留と巨人・坂本勇。11歳違いの2人だ。福留はMLBで498安打しており、名球会にはすでに入っている。

 今季のMVP候補に名前が挙がる坂本勇は、故障がない限り、福留を抜いて先にテープを切るのではないか。42歳の福留は今季87安打。来季の105安打は厳しい数字なのかもしれない。30歳の坂本にとって2000本は通過点だろう。このペースで打ち続けるなら2500本、さらには張本勲しか達成していない3000本も現実的になってくる。

 それに続く西武・栗山も175本に迫ってはいるが、彼の安打数キャリアハイは2010年の172本。来季中にクリアするのは厳しそうだ。しかし、それ以下の選手に目を転じると、年齢的にも今季の実績的にも厳しい数字になっている。巨人・中島、楽天・今江は出場機会に恵まれていない。

西武・中村は大まくりで2000本安打達成の可能性も

 ソフトバンク・松田宣は昨年の不振を脱して安打数も増えたが、あと3年は一線で頑張らなければならない。青木は今季も打率.297、歴代選手の首位打者の座をキープしているが、37歳の青木にとってあと409本は大きい数字だ。ただMLBで774本打っており、すでに名球界入りしている。

 西武・中村は本塁打王6回の大打者だが、安打数では届かないと思われていた。しかし今季はあと1本でキャリアハイに並ぶ142安打。山川というライバルを得て復活した感がある。ここから盛り返して2000本を打つ可能性も見えてきた。

 このランキングにはないが、パ・リーグ一の安打製造機、西武・秋山は1405安打。8年連続100安打、5年連続170安打以上と大股で上位を追いかけている。坂本勇と同学年の31歳だが、このままいけば“先輩”をごぼう抜きして、2000本に到達しそうな様相だが、海外FA権を行使しMLB挑戦の可能性もある。そうなれば、2000本はお預けになるだろう。

 2000本という節目を、来年は何人の選手が迎えることになるだろうか。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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