長崎県庁跡地の埋蔵文化財 10月16日から調査

 16世紀の長崎開港以来、重要施設が置かれてきた県庁跡地(長崎市江戸町)の再整備に向け、県教委は現地の埋蔵文化財調査を10月16日から始めると発表した。遺跡の範囲や内容を確認する調査を来年1月15日まで3カ月間で実施し、結果を踏まえて本調査を行う計画。調査期間中の11月末と12月末にそれぞれ、一般向けの現地見学会を開くとしている。
 同跡地は江戸時代の禁教令前にキリスト教の拠点「岬の教会」があり、禁教後は長崎奉行所西役所などが所在。明治以降、県庁が建った。今後は県が広場などを、長崎市が文化芸術ホールを整備する方針。県教委は来月の旧県庁舎解体完了後、調査に入るとしていた。
 県教委学芸文化課によると、範囲確認調査は敷地内18カ所(計973平方メートル)の試掘坑を設けて実施。現存する絵図面などを基に、時代ごとに置かれていた施設の遺物や遺構がないかなどを確かめる。11月下旬までに、ホール用地となっている旧本館部地下を調査。その後、「交流・おもてなしの空間」になる予定の旧立体駐車場付近を調べる。本調査を合わせ、完了に約1年間かかる見込み。

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