【野球】森田晃、圧巻の投球!投手戦を制す 立大②

9月29日(日)東京六大学野球秋季リーグ戦 立大2回戦 @神宮球場

1安打無失点と圧巻の投球を披露した森田晃

秋季リーグ戦開幕から未だ負けなしの状態で迎えた立大2回戦。先発を任された森田晃介(商2・慶應)が圧巻の投球を見せた。9回を投げ許した安打はわずか1本。自身初完封で慶大勝利を手繰り寄せた。打線では、慶大の主砲である正木智也(政2・慶應)と中村健人(環4・中京大中京)がともに左翼席への本塁打を放つ。投打が冴えわたった慶大は最高のかたちで開幕4連勝を飾った。

立大	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0
慶大	0	1	0	0	0	0	0	1	X	2

立大バッテリー:●手塚、中崎、中川-藤野

慶大バッテリー:○森田晃-郡司

慶大大本塁打:正木1号ソロ(2回)、中村1号ソロ(8回)

◆慶大出場選手

1	[8]7	柳町達(商4・慶應)
2	[5]	下山悠介(商1・慶應)
3	[9]	中村健人(環4・中京大中京)
4	[2]	郡司裕也(環4・仙台育英)
5	[7]	正木智也(政2・慶應)
H	橋本典之(環2・出雲)
R8	渡部遼人(環2・桐光学園)
6	[3]	嶋田翔(環3・樹徳)
7	[4]	小原和樹(環4・盛岡三)
8	[6]	瀬戸西純(政3・慶應)
9	[1]	森田晃介(商2・慶應)

昨日の1点差での勝利から一夜明け、2連勝を目指す慶大先発は、東大2回戦で6回を無失点に抑える好投を見せた森田晃。初回を東大戦からの安定感そのままに3人に抑えたが2回表、4番・山田に中前安打を許しゴロなどで2死三塁のピンチを招く。しかし、続く金川の左翼線ファールグラウンドへの邪飛を三塁手・下山悠介(商1・慶應)がダイビングキャッチ。好守が飛び出しこの回を無失点で切り抜ける。

ファインプレーの下山を迎えるベンチの様子

この守備から流れを作った慶大は2回裏、先頭打者の正木が初球を左翼席へ運び貴重な先制点を挙げる。「先発が森田だったので、先制点が欲しいところ」と、慶應高校時代からともにプレーする森田晃を援護した。続く嶋田翔(環3・樹徳)も二安で出塁すると小原和樹(環4・盛岡三)の投犠打、瀬戸西純(政3・慶應)の捕ゴロで2死三塁に。しかし森田晃が空三振に倒れ、得点は1点のままこの回を終えた。

正木は本塁打を含む2安打の活躍で森田晃を盛り立てた。

その後、慶大の攻撃は毎回出塁を記録するもののあと一本が出ず、得点につなげることができない場面が続く。一方の立大打線も慶大先発・森田晃の安定した投球を前に完全に沈黙。スコアボードには0が並んでいく。

そんな硬直した試合展開が動いたのは8回裏。先頭打者の中村健が、この回マウンドに上がった立大のアンダースロー・中川から左越本塁打を放つ。森田晃の投球に「打撃も頑張ろうとなりました」と中村健の一本で点差を2点に広げ、試合を決定付けた。

今季初本塁打が飛び出た中村健

森田晃は最終回も落ち着いた様子でしっかりと3人に抑え、相手につけ入る隙を与えないままゲームセット。巧みな変化球を上手く使った配球で立大打線を完璧に封じ込めた。「コントロール良く投げられた」と言うように被安打1、与四死球1、9回9奪三振という完璧な投球内容。「記憶にある中では一番良いピッチングができた」と大仕事を成し遂げた勝利投手は振り返った。

立大との1点を争う緊迫した試合をものにし、勝ち点2を掴んだ慶大。今まで課題としてきた2回戦を完封勝利というこれ以上ないかたちでものにした。しかし、大久保監督が「ここから3カードが勝負」と話すように、リーグ優勝へ向けまだまだ正念場が続く。これから差し掛かる今季の佳境へ向け、接戦を制したこの立大戦は大きな意味を持つはずだ。

(記事:相川環 写真:小林歩、左近美月)

◆打撃成績

1	[8] 7	柳町	一ゴロ	左中2	一ゴロ	四球
2	[5]	下山	空三振	捕犠打	中安	空三振
3	[9]	中村健	四球	一飛	遊ゴロ	左本①
4	[2]	郡司	遊ゴロ	二ゴロ	四球	遊ゴロ
5	[7]	正木	左本①	中安	中飛
H	橋本典	死球
R8	渡部遼
6	[3]	嶋田	一安	併殺打	併殺打	併殺打
7	[4]	小原	投犠打	三安	中2
8	[6]	瀬戸西	捕ゴロ	見三振	一ゴロ
9	[1]	森田晃	空三振	空三振	見三振

◆投手成績

○森田晃	9	29	98	1	9	1	0	0

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

――今日の試合を振り返って
もう森田のピッチングにつきます。相手につけ入る隙を与えずにしっかり一人で投げ切ってくれたし攻撃の方も正木と中村のホームランでしか点数入らなかったですけど、今日は塾高が頑張ったのかなと。

――森田晃投手のピッチングについて具体的にどこが良かったと思いますか
真っ直ぐがしっかりコースに投げられていたというのと、そこに変化球もキレていたので相手が的を絞れなくて、甘い球を打とうと思っても甘い球が来なくという感じで、本当にこの夏以降生井(惇己=総1・慶應)も調子が良いんですけど一番よかったのは森田なのでそういう意味では状態の良さはそのまま継続しているという感じですね。

――今日は2本の本塁打が出ましたが打線については
持ち味なので。もう少しつないで欲しいというところもあったので。でも今日の森田には1点2点で十分だったのかなという気はしますけど。

――前回の東大戦に引き続き勝ち点を獲得しました
大きいですね。負けずにきたというのは大きい。ここからの3カードが勝負でひとつも落とさないつもりで準備をします。

――法政戦に向けて意気込みをお願いします
しっかりと心と体を整えて慶應らしく文武両道で。学校も始まって調整が難しい部分はありますけど変わらず練習に対して最高の準備をしたいと思います。

郡司裕也主将(環4・仙台育英)

――今日の試合を振り返って

森田がよく投げてくれたなと。それだけです。

――森田晃選手の投球はどうでしたが

何も言うことはないです。100点満点の出来ですね。

――森田晃選手の投球は東大2回戦のときと何か違いはありましたか

東大戦のときも良かったのですが、今日はさらにそれよりも良くて。要求した球もほとんど来たので、本当に素晴らしかったと思います。

――打線がつながりにくい場面もありました

チャンスを作るところまでは良かったんですけど、あと一本がというところで今日は結果出なかったので、次からの課題かなと思います。

――東大戦、立大戦を終えて、チームとして改善したいところなどはありますか

そうですね、改善というよりは良いところを伸ばしていくっていうことに専念して、士気も上げながら、法政戦に向かっていきたいなって感じです。

――最後に法大戦への意気込みをお願いします

法政も4連勝してますし、僕たちも4連勝してますけど、まず最初の大きな壁だと思うので、そこを乗り切って、完全優勝に向けて頑張りたいと思います。

中村健人(環4・中京大中京)

――試合を振り返って、率直な感想を

今日は先発の森田のおかげと言いますか、彼が頑張ってくれていたので打撃陣も頑張ろうとなりました。彼に感謝の1試合です。

――接戦を制しました

そうですね。勝ちきることができたのは、本当に守備とバッテリーのおかげだと思います。接戦を勝ちきったことはいいことだと思うのですが、途中僕自身もチャンスで凡退してしまいましたし、まだまだやらなくてはいけないことがあるなと思います。

――ご自身の打撃を振り返って

ここまでの試合では思うような結果を残せていなかったので、やっとプラスマイナスゼロかなという感じです。

――本塁打とした球の球種とコースは

ストレートだったのかシンカーだったのかはわからないのですが、インコース寄りの速い球でした。

――これで勝ち点を2としました。次の法大戦に向けて意気込みを

今季の法政大学さんは誰が見ても強いので、9月に4連勝することができた勢いを保ちつつ、いい準備をして10月の法政戦に入れるように頑張りたいと思います。

正木智也(政2・慶應義塾)

――今日の試合を振り返って

先発が森田だったので、しっかり先制点が欲しいところで、ホームランは狙っていなかったんですけど、しっかり最初に先頭バッターとして塁に出ることを心がけて、なおかつ初球から思い切りいこうと思っていたので、その点は上手くいけたかなと思います。

――マルチ安打も記録しました

昨日の試合は打てなかったんですけど、調子自体は悪くなかったので、しっかりストライクを打つということだけを心がけて、自分のスイングを入れていけたかなと思います。

――高校時代からともにプレーする森田晃投手が見事な完封勝利を挙げました

高校1年生からやってきたので、森田がここ最近この秋に向けてしっかり気持ちを入れて練習しているのを知っていましたし、その森田がしっかり完封できたので、その部分は嬉しく思いました。

――今シーズンの個人目標を教えてください

まずはチームの勝ちに貢献できる一打を毎試合出すということを心がけて、その結果打率だとかホームランの数とかにこだわっていけたら良いと思います。なのでまずはチームの勝利につながる一本を打ちたいなと思っています。

――次は好調の法大です

ここから段々と厳しい戦いになっていくと思うので、まずは2週間しっかりと準備して、法政の初戦の1打席目からしっかり自分のバッティングをできるように準備することと、やはりあとは絶対に勝てるように、チームとしても良い準備をしていけたら良いなと思います。

森田晃介(商2・慶應)

――今日の試合を振り返って

コントロール良く投げられたのが良かったと思います。

――初完封でしたがいかがですか

1イニング1イニングしっかり投げようと思って、その結果が9回抑えられました。勝ち点をとれたということが良かったと思います。

――ご自身で振り返って今日の投球は今までで1番だったと思いますか

記憶にある中では1番良いピッチングができました。

――今日特に良かったことは何ですか

外のカットボールが良かったのでそれをたくさん投げたのですが、それが立大打線にはまったかなと思います。

――次の試合への意気込みをお願いします

法政はバッティングがすごく良いチームなので、しっかり自分のピッチングをして抑えられるように頑張りたいと思います。

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