「明るく無邪気」な栃木が初のBCリーグ制覇 「今風の指導者」が若手にマッチ

BC栃木が初優勝を決めた【写真:細野能功】

信濃に3勝1分で年間王者に、元G寺内監督「個々のレベルアップを図っていけたのが成長に」

 風遠しのいい栃木野球が花開いた。ルートインBCリーグの年間王者を決めるリーグチャンピオンシップ第4戦は29日、小山運動公園野球場で行われ、東地区優勝の栃木は西地区優勝の信濃を4-1で撃破。3勝1分で10月5日から始まるグランドチャンピオンシップに駒を進めた。独立リーグ日本一を目指し、徳島(四国IL覇者)と対戦する。

 谷津主将、ルーカス、ジョンと選手が次から次へと胴上げされる中で、飯原選手兼ヘッドコーチ、さらに「俺はいいよ」と逃げ回る岡田コーチ(ロッテからの派遣コーチ)まで宙に舞った。首脳陣、選手が和気あいあいで、チームのいいムードを象徴するシーンだった。

 元中日の先発・若松が7回まで2安打無失点で信濃打線を抑えた。8回にペレスに一発を浴び、2点差にされたが、その裏に「5番・DH」で先発出場した飯原選手兼ヘッドコーチが「2点差と3点差では違う。一、二の三でストレート狙い」と中堅へソロアーチをかけ、ナインを勇気づけた。これに応え、9回を任された金本は1球、1球で「よいしょ」と絶叫しながら3者連続三振に仕留めた。

 就任1年目で栄冠を獲得した寺内監督は「オープン戦当時は、チームワークの面で難しさを感じたが、選手との話し合いの中で、個々のレベルアップを図っていけたのが成長につながった。感動するゲームだった」と選手の成長を喜んだ。

 その裏には、明確な指針があった。「まず話し合ったのは、選手がやりやすいチーム作りをしようということ。選手と会話をしながら、やりやすい環境を作りをした」と飯原選手兼ヘッドも語る。BCリーグの村山哲二代表も「楽しくやっている、今風の指導者ですね」と話す通り、NPBを目指す若い選手にはマッチしたのだろう。谷津主将もチームカラーを問われ「明るく無邪気」と笑った。

 後期の初優勝からリーグ制覇で、独立リーグ日本一まで見えてきた。「ここまで来たらてっぺんをとりにいきます」と寺内監督は地元ファンに宣言した。(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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