【MLB】PO進出逃したカブス、通算333セーブのキンブレル不振が誤算も…「リスクは分かってた」

カブスのクレイグ・キンブレル【写真:Getty Images】

昨オフFA、6月に3年総額約46億円で契約結ぶも故障続きで活躍できず

 カブスのセオ・エプスタイン編成本部長が地元ラジオ局「670ザ・スコア」で、今季途中に加入したクレイグ・キンブレル投手に言及。昨年までに通算333セーブを挙げた球界屈指のリリーバーが不振に終わった原因は契約が遅かったことにあったと語った。米テレビ局「NBCスポーツ」公式サイトが伝えた。

 昨年オフにFAとなったキンブレルがカブスと契約を結んだのは今年6月7日。3年総額4300万ドル(約46憶4000万円)で獲得した右腕だが、ここまでの成績は23試合登板で4敗13セーブ、防御率6.35。何度も故障者リスト入りするなど精彩を欠いた。シーズン終盤に大失速してポストシーズン進出を逃した要因であるとも指摘されている。

「NBCスポーツ」は「カブスのシーズン終盤の崩壊には多くの原因があるが、間違いなくその1つは、クレイグ・キンブレルが故障したこと、そして効果的ではなかったことである。球界最高のリリーフの1人であるキンブレルに何が起こったのだろうか」として、エプスタイン氏のラジオ番組での言葉を引用した。

「彼が通常のスプリングトレーニングができなかったこと、クローザーとしてシーズン半ばにチームに加わるという、これまであまり例のなかったことを試みたことを考えれば、リスクがあることは分かっていた。我々は間違いなくリスクをとるに値すると考えた。彼の苦戦がどの程度それによるものかをはっきりとさせることはできないが、私はそれが最大の要因だと思っている。彼は今までこのように苦戦したことがなかった。このようなパフォーマンスに近いことすらなかった」

キンブレルをオフに獲得しなかったのは「ドラフト指名権を失いたくなかったから」

 さらに、NBCスポーツは昨オフにキンブレルを獲得をしなかった理由についてはこう説明した。

「カブスはキンブレルとオフに契約することもできた。そうすれば、エプスタインがキンブレルの苦戦の要因として挙げた、通常のスプリングトレーニングができなかったということは起こらなかった。カブスはそうしなかった。なぜなら、カブスはキンブレルを獲得することで、64番目のドラフト指名権を失いたくなかったからである。シーズン半ばまで待ったことにより、大金の節約にもなっただろう」

 クオリファイングオファーを受けた選手を獲得した際にドラフト指名権を失うことについては、他のチームにとっても“痛手”となるため、キンブレルは6月まで売れ残る結果となった。

 記事では「カブスは64番目のドラフト指名権でUCLAの二塁手チェイス・ストランフを獲得した。ストランフに2019年プレーオフ進出を逃す価値があったかどうか、数年後に分かるだろう」とも指摘。キンブレル獲得を6月まで“先延ばし”したことで、結果的にカブスは“代償”を支払うことになったが、ストランフがスター選手となればファンの傷も癒えるかもしれない。(Full-Count編集部)

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