家に眠る楽器寄付して「ふるさと納税」 松浦市が導入

足りない楽器は周辺の高校から借りるなどして練習に励む御厨中吹奏楽部の生徒たち=松浦市立御厨中

 長崎県松浦市は10月から、全国の家庭に眠っている楽器を寄付してもらう「楽器寄付ふるさと納税制度」を始める。寄付楽器の査定価格が税金から控除される仕組みで、導入は県内の自治体で初めて。楽器は市内の学校の備品として配置し、音楽の授業や吹奏楽などの部活動に活用する。
 「同納税制度」は三重県いなべ市が新たなスタイルの「ふるさと納税」として2018年10月にスタート。現在、北海道東神楽町、埼玉県北本市、宮城県富谷市も参加している。
 同制度は、楽器を寄付したい人がインターネットの専用サイトから申し込み、査定を担当する業者に楽器を送る。業者は楽器の査定額を、寄付希望自治体に通知し、楽器を配送。自治体は寄付者に査定額に応じた納税証明書を送り、寄付者は税金の控除が受けられる。現金の寄付と違い、自治体からの返礼品はない。
 松浦市では市立御厨中(大内康仁校長、149人)など3校で吹奏楽部が活動しているが、備品の楽器が壊れていたり、必要な楽器がなかったりしている。楽器は高額で、市の予算では新規購入が難しいことから、同制度を導入することにした。
 御厨中の濱田寿枝教諭は「足りない楽器は周辺の高校から借りるなどしているが、無い楽器もあり、コンクールで演奏できる曲目も限られてしまう。同制度を活用し、中古でも必要な楽器をそろえることができれば生徒の

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