ラ・フランス収穫、適期ズバリ分析

山形大・奥野准教授らがシステム開発、運用へ

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ラ・フランスの最適な収穫期が分かるシステムを開発した奥野貴士准教授(左)。生産者と果実の生育状況を測定する定点カメラを確認するなど本格運用へ向け検証を行っている=上山市皆沢

 上山市と山形大理学部の奥野貴士准教授は、ラ・フランスの最適な収穫期が分かるシステムを共同開発した。生産者の経験に基づき判断していた適期を、各園地で計測する温度データと生育の画像解析から判断できるようにした。来年4月の本格運用に向け市内で検証を行っており、市産ラ・フランスの高品質化と栽培管理の最適化を目指す。

 市などによると、ラ・フランスの収穫期は従来、花の満開日からの日数と、県内23の代表園地で集めたデータを基に、各生産者がそれぞれの経験に基づき判断。しかし個々の園地は標高や畑地の向き、気象状況などが異なり、生育に影響を与える気温も違うため、環境によって適期に差があるとされていた。

 そこで市と奥野准教授は昨シーズン、市内10の園地に温度計を設置。温度データを収集するとともに、定点カメラを設置して果実の生育状況を測定した。その結果、標高の高い園地ほど実が柔らかくなるのが遅く、追熟期間が必要と判明。さらにカメラの画像から果実の生育には一定のメカニズムがあり、視覚的に収穫適期の判断を行える可能性があることが分かった。

 調査結果を基に、気温や画像を解析し各園地の最適な収穫期が分かるシステムを開発。具体的な運用法としては、生産者から届く気温計測や撮影画像のデータを山形大が解析し、適期の情報を農家に提供。さらに市がデータを蓄積保存し、生産者間で情報を共有して活用できるようにする。

 市は「システム導入によってきめ細かい栽培管理ができ、市産ラ・フランスの高品質化にもつながる。今後、ほかの果物にもシステムを拡大したい」と期待する。奥野准教授は「研究を重ね精度を高め、一生懸命取り組んでいる上山の農家の方々に協力していきたい」と話す。