もちろん写真はイメージです
夏と言えば、皆が嫌いなゴキブリ。特に飲食店にとっては天敵です。とにかく、ゴキブリを出さないようにするのが飲食店の店主にとっては必須。
グルメドラマの王様に「孤独のグルメ」(原作・久住昌之 画・谷口ジロー)があります。元々は「日刊PANJA」(JAPANをひっくり返したタイトル)で掲載されていた作品から「週刊SPA!」(扶桑社)に移動。その後、着実に部数を重ね、松重豊主演でドラマ化(テレビ東京系)されました。
数々の「隠れた名店」が紹介され、松重豊の食べっぷりも美味そうに感じられ、取り上げられた店はちょっとした行列が出来るほどです。それほど影響力の大きいドラマです。
その店の名誉の為に当然、店名は隠しますが、東京都内のある大衆食堂が紹介された回がありました。確かに味は良いのですが、その店の常連ならば誰でも知っている「タブー」があったのです。
それはゴキブリ出現率が異様に高い事。
昭和の頃から創業し、何十年も営業してきた、地元民にとっては、ある程度知られた有名店です。
「松重豊さんがあの店で美味そうに食べているのを見て、収録中にゴッキーが出てこないかハラハラしました(苦笑)」と常連客は言います。
「でも、それコミで僕らはあの店に行くんですよね」(前出・常連客)
確かに、その店に限らずお気に入りの店でゴキブリが出てきても許容する「大人の客」は増えているように思います。特に歌舞伎町・ゴールデン街などは結構な数の店でゴキブリが出ますし、下手をすると屋根の上をネズミが音を立てて走り回っていたりします。ネズミはさすがにキツイですが、ゴキブリは「しょうがない」と許容し、呑むのがあの街での客の在り方なのかも知れません。
話を戻すと、「私はもう、あの店はゴキブリが出た時点で行きません」という女性もいます。その店は年期が入っている鍋が逆に「味が出ている」との評価もあり、松重豊演じる井之頭五郎も「うん、この雰囲気がいい」とニコニコしていました。そしてその店も「孤独のグルメ」に取り上げられたおかげでか、一時は行列が出来ていました。
ドラマだけ見て店を訪れた人がゴキブリに引かなければ良いのですが……。(文◎編集部)