中国成都の非凡な旅

中国成都の非凡な旅

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【成都(中国)2019年9月27日新華社=共同通信JBN】Chengdu Wuhou Shrine(成都武侯祠)は、三国時代の蜀漢の英雄を崇敬する中国で最も有名な場所であるとともに、劉備の墓のある場所でもある。記録によれば、紀元223年に劉備が白帝城で病没した後、彼の棺は成都に運び戻され、この地で埋葬され、この地は歴史的に恵陵として知られていた。

その後、1700年以上が過ぎた現在、この地域は世界で最も影響力のある三国時代の遺跡博物館に上り詰め、毎日多数の訪問者が参拝に来る。主君と家臣が共に祭られている中国唯一の祠で、境内には劉備玄徳の霊廟(漢昭烈廟)、諸葛亮孔明の霊廟、50体以上の蜀漢の英雄像など多数の古代遺跡、唐王朝以降の時代の50基を超す石碑、約70対の飾り額と対句がある。

高くそびえる松、青々とした杉、朱塗りの壁と竹林の木陰のある武侯祠は、中国西部の深遠な文化遺産を持つ都市である成都を簡潔に表現したものである。中国最古の都市の1つである成都は4500年の文明の歴史を持ち、古代蜀文明の発祥地である。

成都北西部の金沙遺跡は、現存する最も重要な古代蜀文明の遺跡である。2001年に発見されて以来、金器、青銅器、玉器、石器、漆器、陶器、象牙など計2235点(セット)の文化遺物が発掘された。

出土したこれら多数の宝物のうち、とりわけ目を引くのがGolden Sun Bird(黄金の太陽神鳥)である。非常に美しい細工が施された金製の円盤で、その注目に値するわずか0.02センチメートルの薄さは剪紙(せんし)工芸品に匹敵し、時の試練を超えたデザインは現代的な感覚とダイナミズムにあふれている。

現在、黄金の太陽神鳥はJinsha Ruins Museum(金沙遺跡博物館)に静かに展示され、人々がその過去を探究し、想像するのを待っている。その静けさに比べると、金沙遺跡から約50キロメートル離れたDujiangyan Irrigation System(都江堰)はもう少し「活動的である」ように思われる。

都江堰を訪れた人は、誰もがその壮大さを目にしただけで驚嘆する。2200年以上前に建設されたこの巨大な灌漑(かんがい)工事プロジェクトは現在もこの種のものとしては世界最古で、唯一の現存し、稼働しているシステムである。

都江堰に近接するのが、中国の道教発祥地の1つで野生のジャイアントパンダの生息地のMount Qingcheng(青城山)である。2000年に青城山と都江堰は、共に世界文化遺産のリストに加わった。青城山は2016年の大ヒット映画「カンフー・パンダ3」の舞台となった。映画撮影に先立ち、韓国系米国人のジェニファー・ユー・ネルソン監督は、ハリウッドの制作チームと共にインスピレーションを求めて成都を訪れ、青城山の他に成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地(Chengdu Research Base of Giant Panda Breeding)にも足を運び、ジャイアントパンダを間近で個人的に観察した。

成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は成都の東の郊外にあり、現在204頭のジャイアントパンダが飼育され、飼育下繁殖のジャイアントパンダの頭数としては世界最大である。ジャイアントパンダの保護に尽くすたゆまぬ努力を称え、成都は中国人・外国人観光客のいずれからも「ジャイアントパンダの都」と呼ばれている。成都にとってジャイアントパンダは同市のアイコンであるだけでなく、そのゆったりとした性質が成都のライフスタイルを完璧に反映していることから、同市の文化的シンボルでもある。

2009年以来、成都は権威ある複数の中国の公的機関によって「中国で最も幸福な都市」に10年連続で選出されている。成都を訪れた人は誰でも、この都市をその包摂性によって最も記憶にとどめ、この地の食文化は成都の包摂性を最も直接的に表現したものである。

中国の四川料理について、成都はさかのぼって2010年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)により「美食都市」に指定された。Chengdu Chuancais Museum(Chengdu Sichuan Cuisine Museum、成都川菜博物館)のディレクターであるチャン・ホェイチァン氏によれば、四川料理でよく使う香辛料には共通する24もの味の型があり、それらを多様な調理法や仕込み方法と組み合わせることで、食欲をそそる無数の料理が完成する。

地元の四川料理のほか、成都では世界中の食品に出会うことができる。Chengdu Food and Catering Industry Survey Reportによれば、2018年12月末の時点で、成都の66の主要な都市型複合施設やショッピングセンターにある3112の飲食店のうち、四川料理を提供する店舗は全体の34.5%で、残りの65.5%の店舗では他の中国料理または外国料理を提供している。

成都では、時間さえも、特別な「成都」ルールに従っている。夜のとばりが下りると、この都市の別の顔が目を覚まし「決して眠らない都市」ソウルのように成都の夜も同様に賑やかである。

通りを忙しく行き交う行商人から高級できらびやかなレストランまで、夜の闇に紛れ、食事客たちは羽を伸ばし、成都が提供するあらゆる高級料理に没入する。夕食の後は、ファンタスティックな夜景の混雑の少ないショッピングエリアで、この種のものとしては成都で最も上流階級向けである高級な太古里歩道で、できれば、ちょっとしたウインドーショッピング、または実際のショッピングに出かけよう。あるいは九眼橋付近のバー通りを散歩し、2、3人の友人を呼び出してライブ音楽を楽しみながら1杯か3杯飲もう。あるいは合江亭へ行ってクルーズ船に飛び乗り、川の両岸の美しく魅力的な眺めを楽しむのも良い。武侯祠、金沙遺跡博物館などが現在、夜間プログラムを提供しているため、文化施設のナイトタイムツアーに出ることもできる。

中国では、人々は成都を「去りがたい都市」と呼ぶ。「中国の有名な歴史と文化の都市」かつ「中国のベスト観光都市」としての成都のユニークなカリスマ性は、数千年に及ぶ蓄積と統合の成果である。成都を訪れれば、自然にこの都市に同化し、去りがたいと感じている自分に気付く。なぜなら、成都は去りがたい都市なのだから!

ソース:Chengdu Municipal People's Government

画像添付リンク:
http://asianetnews.net/view-attachment?attach-id=346297
(成都武侯祠)
http://asianetnews.net/view-attachment?attach-id=346298
(成都火鍋を味わいながら、仮面を次々に変える四川オペラ「変面」を鑑賞する客たち)
http://asianetnews.net/view-attachment?attach-id=346299
(太古里ショッピングエリア)