「てんぐだった…」選手12人の野球部 初の九州つかんだ八重山農林の底力

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 新鋭と強豪が九州切符をつかんだ。29日、コザしんきんスタジアムで行われた高校野球の第69回県秋季大会(主催・県高校野球連盟、共催・琉球放送、沖縄タイムス社)の準決勝で、八重山農林が初めて、沖縄尚学が4季ぶり24度目の九州大会出場を決めた。

 八重山農林は具志川に0−1とリードされた三回表2死一、二塁、上江洲伶生の中前適時打で同点。1−2の七回2死満塁では砂川将吾が右前にポテンヒットを放ち、2者が生還して逆転した。投げては垣本真志、親里大翔が継投し、要所を締めて3−2で初の決勝に進んだ。

 沖尚は初回に砂川連の適時打、嘉手納孝行のスクイズなどで3点を先取。二回表には5−0とリードを広げ、四回にも4安打で3点を追加した。四回裏に1点を返されたが続く五回にも2点を挙げ、嘉手納を11−1の五回コールドで破った。

 最終日の第11日は10月5日午後1時から、同球場で決勝を行う。

■「運も実力のうち」 粘って逆転

 定かではないが創部から40年以上たつ。選手12人一丸で快進撃の八重農が具志川を3−2で破り、ついに初の九州切符をつかんだ。

 準々決勝まで打率4割1分6厘を誇る打撃陣が、序盤は沈黙した。それでも、四回まで失点3が目標だった先発左腕の垣本真志が「テンポ良く、四球も少なくいけた」と五回まで失点2、自責点1と上々の出来。レフト宮良太海やショート大浜圭人の好捕にも救われながら、試合をつくった。

 六回からは前日に125球を投げたエース親里大翔が志願の登板。161センチの小さな体から力強い直球を投げ込み、九回まで散発の被安打3で零封した。エースは「コースに決められる直球とシンカーがはまった」とうなずいた。

 試合が動いたのは1−2の七回。敵失と2死球で2死満塁、砂川将吾がしぶとく右前に落とし、三走に続いて二走の久貝悠斗が俊足を跳ばして逆転に成功した。決勝点をたたき出した4番は「運も実力のうち。ほっとしています」と満足げだった。

 夏の地区新人を制して「てんぐになり、チームがばらばらだった」(親里)という。その後団結を強め、快進撃につなげた。

 4月に就任した新里和久監督は、自ら練習で打撃投手になって部員不足を補っている。「自分は何もしていない。個性ある子どもたちがまとまった」と目を細めた。(當山学)