長崎発・新薬をサメの抗体で 長崎大の挑戦

創薬ベンチャー設立も

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サメの抗体を使った新薬開発に取り組む田中教授=長崎市多以良町、環東シナ海環境資源研究センター

 長崎大は医歯薬学系と水産学系の教員が連携し、サメの抗体を活用した医薬品開発に乗り出した。サメを使うことで、最先端の医薬品をより安く製造することが期待されるという。2020年度には同大に医水連携型の創薬ベンチャーを立ち上げる方針だ。
 同大によると、医薬品は人間の抗体を利用した製造法が主流になりつつある。人間の免疫反応を促すがん治療薬「オプジーボ」も、その一つ。ただ、人間の抗体を利用した医薬品は製造原価が高くなるのが難点。オプジーボに使われる抗体の場合、製造原価は約7万円。これが約40万円で販売されているという。
 そこで新薬の素材として注目されるのがサメの抗体。サメやラクダなどの抗体にしかない特殊な構造から、人間のものを使うよりも簡単に、より安く医薬品を製造できる。熱にも強いため、保存や輸送にかかる費用や手間も省けるという。
 同大にはサメの飼育や養殖についてノウハウがある。実習船「長崎丸」を所有しておりいつでもサメを捕獲できる上、飼育や養殖ができる施設もある。同大は7月からサメを養殖し、サメの体内から抗体を抽出する手法の研究を始めた。
 新薬開発に取り組む先端創薬イノベーションセンター長の田中義正教授はサメの抗体を使って新薬をつくれば「オプジーボと同じ効能の新薬を500~千円ほどで製造できる」と説明。「医歯薬学部と水産学部を持つ長崎大の強みが生かせる分野。長崎発で新薬をつくりたい」と意気込んでいる。