【MLB】大谷所属のエ軍が監督解任、後任候補は前カブス名将? 米記者「復帰の道が開けた」

前カブス監督のジョー・マドン氏とエンゼルスを解任となったブラッド・オースマス監督【写真:Getty Images】

オースマス監督を電撃解任「こうなった唯一の理由はジョー・マドンを雇うため」?

 大谷翔平投手が所属するエンゼルスは9月30日(日本時間1日)、ブラッド・オースマス監督の解任を発表した。3年契約1年目での電撃解雇となったが、米メディアは前カブス監督のジョー・マドン氏が後任候補に挙がっているとレポート。オースマス監督解任の背景には、マドン氏のカブス監督退任があったと推測している。

 オースマス監督は、2000年から19年間指揮を執ったマイク・ソーシア監督の後を受け、今季からエンゼルスの指揮を執った。しかし、課題だった投手陣を整備できずに72勝90敗と苦戦。90敗以上を喫したのは、1999年以来20年ぶりだった。現役時代にはタイガース、アストロズなどで捕手として活躍し、01、02、06年にはゴールドグラブ賞に選ばれていたオースマス氏。10年に現役を引退してからは14~17年までタイガース監督を務め、昨年エンゼルスのGM特別補佐を務めてから満を持しての監督就任だったが、結果を残せなかった。

 電撃解任の背景には、名将の去就問題が影響したと地元メディアはレポート。地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」でエンゼルスとドジャースをカバーするマイク・ディジョバンナ記者は「こうなった(オースマス解任)唯一の理由は、ジョー・マドンを雇うためだろうと、私なら思っている」とツイートしている。

 マドン氏は今季限りでカブスとの5年契約が満了。2016年にはチームを108年ぶりの世界一に導いたが、今季は終盤に大失速し、84勝78敗のナ・リーグ中地区3位でプレーオフ進出を逃していた。そして、契約を更新することなく退任することが決定。これがオースマス監督解任の決断に大きく影響したというのだ。

「マドンのエンゼルス入りが実現する可能性が高いと多くの関係者は考えている」

 米球界屈指のアイデアマンとして知られ、常識にとらわれない采配でレイズ、カブスと2球団で結果を残してきたマドン氏。これまで3度の最優秀監督賞を受賞している名将だが、レイズの監督に就任する前は選手や指導者としてエンゼルスで31年間を過ごした。昨季まで指揮を執ったマイク・ソーシア監督の元でベンチコーチを務め、2002年の世界一にも貢献している。

 米スポーツ専門局「ESPN」の名物記者、ジェフ・パッサン氏はツイッターで「ブラッド・オースマスがロサンゼルス・エンゼルスから解任された。それにより、ジョー・マドンがエンゼルスに復帰するための道が開けることになる。彼が30年間勤めた球団だ。これは既成事実ではない一方で、マドンのエンゼルス入りが実現する可能性が高いと多くの関係者は考えている」と指摘。両者のつながりを考え、マドン氏を後任の有力候補と考えている関係者は多いというのだ。

 選手と信頼関係を築く人格者としても知られるマドン氏。今季は前半戦で極度の制球難に陥るなど苦しみ抜いたダルビッシュ有投手を信頼し、擁護し続けた結果、日本人右腕は後半戦に劇的な復活を遂げた。本人はカブス監督退任会見で「カブスも私も前に進むんだ。カブスは繁栄するだろう。私もそれをどこか他のところでするチャンスがあることを望んでいる。待つ時間は必要ない。準備はできている」と他球団での監督就任に意欲を見せていた。

 エンゼルスだけでなく、パドレス、ジャイアンツ、パイレーツ、ロイヤルズもすでに監督の退任が決まっており、メッツやフィリーズも監督交代の可能性が出ている。マドン氏は引く手あまたとなる可能性が高く、地元紙はエンゼルス復帰は「保証されていない」とも伝えているが、名将は“古巣”に戻ってくることになるのだろうか。(Full-Count編集部)

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