消費税10%スタート 客も売り場も駆け込み 長蛇の列、最後の準備…

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ポイント還元開始をアピールする表示を掲げるロッキー坪井店=30日、熊本市中央区

 消費税率が1日、10%に引き上げられた。消費者は直前の30日夜まで駆け込み購入のため列をなし、店側は値札変更やレジの設定に汗を流した。軽減税率による8%と混在する日々がスタート。政府はポイント還元制度をアピールするが、キャッシュレス決済に不慣れな高齢者からは「よく分からない」「不公平」と不満が漏れる。

 増税を翌日に控えた30日、県内の小売店は値札の張り替えやレジ更新など最後の準備に追われた。2014年の前回増税時の経験を踏まえ、数カ月前から準備を始めた企業もあり、各社とも作業は順調に進行。ただ、今回初めて導入される軽減税率やポイント還元制度への対応を心配する声もあった。

 ホームセンター「DCMダイキ」各店では、値札の表示切り替えを進めていることを周知するポスターを店内に掲示した上で、8月半ばから作業をスタート。9月30日には、レジの更新や価格ポスターの張り替えを残すのみだった。JR九州熊本支社も5日前から順次運賃表の掛け替えを進め、30日には全駅で作業を終了した。

 県内で大型商業施設「ゆめタウン」などを展開するイズミ(広島市)は今回、値札の表示を本体価格のみに変更。「前回の増税時は税込み表示をしていたため、増税前夜に値札を全部更新しなければならなかった。今回は7月から値札の更新を始めたので、スムーズだった」と話す。

 キャッシュレス決済へのポイント還元制度の事業者に登録したスーパーのロッキー(益城町)は、店内に「1日から電子マネーで5%還元」と書かれたポスターを掲示した。

 1日に始まるポイント還元は、大手企業は対象外で、大手のフランチャイズチェーンの還元率が2%、中小企業は5%。熊本市中央区の坪井店の東田祥治店長(33)は「大手スーパーとの違いを出せる」と期待を込める。

 店内には、食品など税率が8%に据え置かれる軽減税率対象の商品と、それ以外の商品が混在。食品か医薬品か分かりづらい栄養ドリンクなどの売り場には、それぞれ適用税率を明示した札を張って備えるという。

 東田店長は「うちのお客さんは高齢者が多い。1日以降は商品の税率やポイント還元についての問い合わせが多いだろう」と予測。「丁寧に、分かりやすく対応したい」と気を引き締めていた。

 一方、30日は増税前最終日とあって、県内各地で最後の駆け込み消費も。同市中央区の大型商業施設「サクラマチ クマモト」内にあるバス定期券売り場には、午後6時ごろから仕事を終えた社会人らが続々と訪れ、長蛇の列ができた。

 対応に追われた産交バスサービスセンターの古市智久係長は「全員の対応を終えるには午後8時ごろまでかかりそう」と話した。(丸山伸太郎)

(2019年10月1日付 熊本日日新聞朝刊掲載)