富山駅南北3方面へ直通運転 20年3月完成の路面電車

会見後、国からの認可、認定の書類を手にする(左から)辻川社長、森市長、粟島社長=富山市役所

■運賃は210円均一

 富山駅の南と北を走る路面電車を駅高架下でつなぐ富山市の南北接続事業で、市と富山地方鉄道(富山市桜町)、富山ライトレール(同市城川原)は1日、市役所で共同記者会見し、接続後の運行計画などを発表した。開業日は2020年の3月21日で、北端の岩瀬浜と、駅南側の富山大学前、南富山駅前、中心部を周回する環状線の三つを結ぶ直通運転を行う。運賃は210円均一とする。

 直通運転するのは、岩瀬浜-大学前、岩瀬浜-南富山駅前、岩瀬浜-環状線の3ルート。朝の通勤・通学のラッシュ時間帯は、岩瀬浜から1時間に6本運行するうち、大学前に3本、南富山に3本走らせる。

 日中は中心市街地へのアクセス向上を図るため岩瀬浜から1時間に4本運行するうち、環状線に2本、大学前と南富山に1本ずつ走らせる。

 環状線については、直通便と従来の巡回運行を合わせ、現行の1時間4本を維持する。既存ルートの南富山-富山駅と富山駅-大学前は現行通り、南富山-大学前は本数をやや減らす。

 運賃は全線均一で、現金の場合は大人210円。地鉄とライトレールは1日、消費税増税に合わせて10円値上げし210円としており、接続後も据え置く。

 南北接続は、富山駅の北側でライトレールが走らせるLRT(次世代型路面電車)と、南側で地鉄が運行する市内電車のレールを結ぶ事業。接続後は、20年2月にライトレールと合併する地鉄が運行する。

 会見には、森雅志市長と地鉄の辻川徹社長、ライトレールの粟島康夫社長が出席。辻川氏は「南北接続は100年に1度の事業」と述べ、年間の乗客は現状の計730万人より1割以上は増えると期待した。森市長は運賃や運行形態について「市民の利便性に配慮してもらった」と話した。

 具体的な運行ダイヤや運賃は今後、国への届け出や認可申請を経て決定。ダイヤは20年1月に発表する。

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