消費税増税・軽減税率初日 店舗・消費者当惑「慣れないと…」「不公平」

JR川崎駅東口の商店街「銀柳街」にある菓子店では、大半の商品が軽減税率の対象であることをアピールする張り紙が掲示されていた=1日午後、川崎市川崎区

 消費税率が1日、引き上げられた。軽減税率も始まり、対応に追われた神奈川県内の店舗からは「早く慣れないと」という声が上がった。一方、税率が上がる商品を取り扱う店舗では、買い控えへの不安も。今回から導入されたキャッシュレス決済によるポイント還元制度に対しては、なじみがない高齢者を中心に「現金払いの人に不公平」との不満も聞かれた。

 横須賀市大滝町の三笠ビル商店街。全商品が軽減税率の対象となった青果店では、買い物客の女性(59)が「食べ物の税率が上がらなかったのは安心」とほっとした様子で語った。男性店長(44)は「軽減税率はいつまで続くか。値上げせずに済むよう、仕入れを頑張りたい」と力を込めた。宅配注文の送料に10%の消費税が発生するという鮮魚店の男性店長は「年末には宅配の注文が増える。それまでに慣れたい」。

 一方、軽減税率が適用されない店舗関係者の表情は浮かない。靴店では9月末に駆け込み需要があったが、この日の客足はまばら。男性店長(68)は「目に見えて買い控えが起きており、不安だ」と明かした。

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