トルコ作品の吹き替えに初挑戦の浪川大輔! 活躍し続けるための秘訣とは…?

トルコ作品の吹き替えに初挑戦の浪川大輔! 活躍し続けるための秘訣とは…?

2016年に放送され、伊藤英明と木村佳乃らが出演し、最後まで予測のつかない展開で話題を呼んだ「僕のヤバイ妻」(カンテレ・フジテレビ系)。このドラマのトルコ版リメークが今年7月に映画・チャンネルNECOでテレビ初放送されると、SNSなどでも「面白い!」と話題を呼んだ。10月に待望の再放送が決定したということで、主人公・アルぺルの日本語吹き替えを担当した声優の浪川大輔さんに、見どころなどのお話を伺った。

──まず最初に、実際に作品を見られての印象はいかがでしたか?

「もちろんトルコという国自体は知っていますが、今まで行ったことがありませんでした。東京でケバブを売っていらっしゃる方、サッカーのチームなどを見ていて、“屈強で濃いめ”というようなイメージがあったんです。しかし、今回の作品で俳優さんや女優さんを見ていると、全世界で通用するような、本当にかっこ良くて、奇麗な方が多いなという印象を受けました。すごく遠い国の話というわけではなく、海外のものではあるんですが、生活スタイルなどは街並みも含めて日本に近いなと感じました」

──日本の原作ドラマは見られて演じられたんですか?

「今回は、あえて日本の原作は見ずに挑みました。大筋は一緒なんですが、アレンジなどトルコ版と日本語版で少し違うというのがあったので。演じている間に、『ここのシーンは日本語版ではどうなっているんだろう』と気になるところもあるので、見比べてみるのも面白いだろうなと思いました」

──海外作品の吹き替えをされる際に、国によって話し方を変えられたりするのでしょうか。

「国によって話し方の特徴も違うので、それは非常に気になるところです。アメリカの俳優さんなどはリアクションなどが大きく顔をクシャっとすることがよくあったり、タイの映画だと早めのテンポで話すので早口に聞こえたりといった特徴があります。トルコはその点、比較的ナチュラルな感じで日本と親和性が高いように感じました」

──吹き替えで一番意識されることは何でしょうか。

「僕が意識しているのは、演じられている俳優さんの呼吸に合わせるということです。海外の方が日本語をスラスラと話しているということは、どうしても違和感が出てしまう。その違和感をなくして、見ている方がストーリーに入り込みやすくなるようにと考えています。すでにドラマは俳優の皆さんが100%のものとして完成させていて、吹き替えはそれを120%にする作業と思っています。もちろん字幕で見ることもできますが、吹き替えの良いところは“字を読む”という作業を一つ減らせることだと思っています。映像を見ているだけで、視聴者の方により多くの情報を届けられるようにするということが僕の意識していることです」

──今回のトルコ版の吹き替えは新たな挑戦だったと思いますが、今後挑戦していきたいジャンルなどはありますか?

「もともと表に出るのが得意な方ではないので、コンテンツ作りというものをやってみたいなというのがあります。また、もともと吹き替えをやってきた人間なので、原点回帰というか、もっと突き詰めてやってみたいという気持ちはあります」

──長く声優界で活躍されている浪川さんですが、活躍し続けるための秘訣(ひけつ)などはありますか?

「誰もができることしかやってこなかったと思うのですが、強いて挙げるとすれば二つあると思います。まず一つは、負けず嫌いだったこと。もちろん“辞める”という選択肢が得策という時もあるとは思うんですが、自分の中で途中で辞めるというのは負けという考え方もあって…どんなに悔しくても、諦めずにやってきたことが今につながっているのかなと思います。また、体が強かったということも大きな要因の一つだと思います。基本的な予防やケアしかしていないのですが、大きな病気などをしない体の強さも長くやってこれた要因かなと」

──最後に今作の見どころを教えてください。

「もともと日本原作のものではあるので非常に見やすいものになっていると思います。この作品を見てもらうことで、トルコの街並みや情景、文化などトルコのことを知れるというのは、自分の視野が広がって良いなと思いました。トルコという国に興味が出てきた方はぜひ調べてみてほしいと思います。また、今回思ったのが…全世界共通でやっぱりみんな、お金が好きなんだなということです(笑)。それが演じている中でも伝わってきて、そういった人間らしいところ、ヒューマンドラマというのも見どころの一つだと思うので、そういったところにも注目して見てほしいなと思います」

──浪川さん、ありがとうございました!

【プロフィール】


浪川大輔(なみかわ だいすけ)
4月2日生まれ。東京都出身。B型。子役時代から声優として活躍し、アニメから洋画の吹き替えまでさまざまな役を演じる実力派声優。代表作は「スター・ウォーズ」シリーズのアナキン・スカイウォーカー役など、多数。俳優としても活動し、映画監督に挑戦する等幅広く活動中。代表作・最近の出演作:「機動戦士ガンダムUC」リディ・マーセナス役、「LUPIN the Third シリーズ」石川五ェ門役、「ロード・エルメロイII世の事件簿-魔眼蒐集列車Grace note-」ロード・エルメロイII世役、「この音とまれ!」滝浪涼香役、吹き替え「サンダーバードARE GO」スコット・トレーシー役、ナレーション「A-Studio」(TBS)、「ウマラテ」(フジテレビ)。

【番組情報】


My Dangerous Wife/「僕のヤバイ妻」トルコ版【日本語吹き替え版】(全12話)
映画・チャンネルNECO
1話~6話:10月3日 午後7:00
7話~12話:10月10日 午後7:00

取材/文 H・A 撮影/蓮尾美智子

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