茨城国体 ソフトボール 成年男子V 低迷期乗り越え 悲願の頂点

【ソフトボール成年男子決勝、栃木-長崎】優勝を決めた瞬間、エース小山(日体大)を中心に喜びを爆発させる長崎の選手たち=常陸太田市、白羽スポーツ広場

 「継続」と「融合」でつかんだ栄冠だった。教職員らを中心に地道に活動してきたクラブチームの「Neo長崎」に、強力な大学生を加えたソフトボール成年男子が初優勝。南里監督(三菱重工長崎)は「ここで勝つためにNeoを発足させた。やっとこの日が来た…」と真っ赤に染まった目で言葉をつないだ。
 2001年に長崎SCとして産声を上げたNeo長崎。14年長崎国体での優勝を掲げ、04年からは日本リーグ(西日本)に参戦した。だが、地元国体で優勝を逃すと、その後は徐々にチーム力が低下。今季の日本リーグは現在、17チーム中17位に沈んでいた。
 そんな状況でも、チームは諦めなかった。南里監督が「仕事や家庭を犠牲にしてやってきた」という選手たちは継続を選択。今回はここに、日本代表のエース小山(日体大)ら大学生が加入した。その小山らもまた「先輩たちが苦しんできた姿を見てきた。恩返しがしたかった」。地元勢と大学生の心が融合したチーム長崎は、一丸だった。
 この日はその力を存分に発揮した。準決勝、決勝の2試合。現在、日本リーグ1、2位の岡山(平林金属)、栃木(ホンダエンジニアリング)を相手に、小山はわずか1点しか与えなかった。1-0で競り勝った決勝の1点は、古藤(虹の原特支対馬分教室教)と松尾(島原特支教)のダブルスチールだった。
 試合終了の瞬間、選手たちは小山を中心に喜びを爆発させた。「心にぐっときて涙をこらえるのがやっとだった…」(南里監督)。そんな熱い指揮官が、日本一の選手たちの腕で高々と宙を舞った。

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