音楽と一緒に味わって オリジナル「佐世保スイングエール」限定販売 サッポロビールらの企画で ジャズバーの思い出を再現

森本さんが考案したビール「佐世保スイングエール」=佐世保市、ジャズスポット「いーぜる」

 一人旅で訪れた佐世保の思い出を詰めました-。
 サッポロビール(東京)は、東京在住の女性が長崎県佐世保市のジャズバーでの体験を基に考案したオリジナルビールをインターネットで限定販売している。商品名は「佐世保スイングエール」。ウイスキーのような香りと味で、「音楽を聴きながら、体を揺らして飲んでほしい」としている。
 考案者はフリーランス、森本夏実さん(38)。森本さんは2015年の冬、一人旅で、佐世保市のジャズスポット「いーぜる」で開かれたライブを訪ねた。「常連のお客が、幸せそうにお酒を飲みながらジャズを楽しんでいるのが印象的だった」と振り返る。
 森本さんは店で関東を拠点に活動しているミュージシャンと出会い、ライブの度に顔を出すように。佐世保も毎年のように訪問。多くの人と知り合った。ご飯を食べたり旅の話をしたり…。ジャズを通し、徐々に顔見知りが増えた。

 サッポロビールとスタートアップ会社「KitchHike(キッチハイク)」(東京)は、消費者のアイデアを試作し、反応がよかったものを商品化するプロジェクトを企画。「佐世保でみんなとにぎやかに楽しむ雰囲気を形にできないかな」。森本さんはそう考えて応募。応募があった50件から選ばれ、9月中旬から販売されることになった。
 考案したのは、ジャズを聴きながらゆっくりと味わうウイスキーのようなビール。サッポロビールによると、トウモロコシを原料の一部に使用。焙煎(ばいせん)麦芽によって焦がした香りをつけることで、バーボンを思わせる香り高いビールに仕上げた。ラベルは、森本さんが初めて「いーぜる」の扉を開ける瞬間をデザイン。店内から漏れてくる光は、楽しい何かが待っている予感を表現した。「スイングエール」のロゴは楽器や音符を組み合わせた。
 森本さんは「佐世保はハウステンボスや、佐世保バーガーというイメージが強いが、日常の魅力があることも知ってほしい」と語る。商品化について「実感がない。今度、佐世保で味わうのが楽しみ」と声を弾ませた。
 「いーぜる」のマスター、百合永貴さん(59)は「佐世保全体のイメージとして、広まってほしい」と話した。

 「佐世保スイングエール」は、サッポロビールのネットショップと、インターネット通販大手アマゾンで購入できる。350ミリ缶12本セットで3980円(送料込み、税抜き)。700ケース限定で販売する。

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