「遺留捜査スペシャル」フェンシングに初挑戦の上川隆也が驚いたこととは!?「とても過酷な競技なんだと改めて思い知らされました」

「遺留捜査スペシャル」フェンシングに初挑戦の上川隆也が驚いたこととは!?「とても過酷な競技なんだと改めて思い知らされました」

上川隆也さん演じる風変わりな刑事が、事件現場に残された“遺留品”から事件解決の糸口を見いだすドラマ「遺留捜査」(テレビ朝日系)。連続ドラマとして5シーズンと6回のスペシャルドラマを経て、このたび10月3日放送の単発ドラマとして帰ってきた同作。今回も、京都府警捜査一課特別対策室刑事の糸村聡が、マイペースに周囲を振り回しながらも、遺留品に込められた被害者の思いと事件の真相を解明していきます。そんな糸村刑事を長年に渡って演じている上川さんに、今作の見どころや豪華共演者の皆さまについて、また今後の展望などをお伺いいたしました!

──まずはスペシャルの台本を読まれていかがでしたか?

「端的に申しまして、“THE遺留捜査”がお届けできる作品だと思いました。『現場に残された遺留品から思いをたどって、たどり着くある一つの真実』。そのスタンダードな基本線を保ちながらも、今回はこれまでにはなかった色や仕掛けを盛り込んだ1本になると思います」

──新しい“色”ですか。

「一番大きく色をもたらしてくださったのは、他ならぬ美村(里江)さんだと思っています。とても強い女性を演じてくださったんですが、その強さの表し方や表現は、『遺留捜査』という作品を見返してきた中でも、新たな違うキャラクターです。いろいろな意味で、美村さんの魅力を楽しんでいただける時間になるのではないかと思っています」

──そんな美村さんの演技で、印象に残っているエピソードを教えてください。

「今回の見どころの一つにもなるのですが、フェンシングのシーンが挙げられると思います。美村さんの装いもとても凛々しくて、お互いに役として相対していながらも、長く手掛けてこられたのではないかと思うほどに身にしっくりとなじんでいました。美村さんがちゃんとそのキャラクターに自らを寄せて作り上げていることがうかがいしれるひと時でもありました。僕自身も初めてフェンシングをやらせていただいたということもあって、とても印象の強い一場面になったのは確かです」

──フェンシングへの挑戦は、またひとつ「遺留捜査」の世界に新しい風が吹きそうですね。

「もう一つのポイントとしては、最終的には事件の真実やあらましがひも解かれていく中で、その事実が明らかになった時の美村さんにもぜひ注目していただきたいと思います。詳細を申し上げるわけには参りませんけれども、美村さんがお持ちになっている、キャラクターを形作る“造形力”を堪能していただけるのではないでしょうか」

──実際にフェンシングのシーンを演じてみていかがでしたか?

「攻防を描くシーンでは、打突の瞬間の描写があったんです。そこは選手のご協力を仰いだのですが、相当に手加減してくださっているということは僕自身も承知しているにもかかわらず、とんでもない衝撃だったんです。体重の乗った一撃が先端7ミリぐらいの点になってドンと来る、その重さに芯から驚かされました。とんでもない競技だと(笑)。実際に選手に伺ったのですが、女子の選手も笑いながら『あざだらけです(笑)』なんて。とても過酷な競技なんだと改めて思い知らされました」

──フェンシングといえば、東京オリンピック開催を目前にしていますが、2020年楽しみな競技のひとつですね。

「先ほどもお話しさせていただきましたが、“思ってもみなかった激しさ”です。競技という名目ではありますが、あれはもう格闘技だという認識すらできたような一瞬でした。これから放送でフェンシングを見る目は少し変わるのは、間違いないところです」

──その他に撮影の中で大変だったことはありますか?

「実はないんです。大変だと思いながら臨んでいるような現場は、僕はあまり思い当たらなくて。驚いたとか、感心したとかそういったことに気持ちが動くので、今回はただただ打突にびっくりしたということに尽きます(笑)」

──フェンシング……恐ろしい競技です。現場の雰囲気はいかがでしたか?

「レギュラーチームはそれこそ空気が出来上がっていますので、多少会っていない時間があったとしても問題にならないだけの関係性を保てていると思います。その上で美村さんがとても現場になじんでくださって。特にシーンに携わっていない時の過ごされ方がとても印象的でした。話題が豊富で、いろんなものに関心をお持ちでいらっしゃるので、どんな話でも膨らんでいくんです。今回こうして時間をご一緒させていただいた中で、一番驚かされた部分かもしれません。これだけの知識量や物事への関心があるからこそ、役柄を魅力的にお創りになれるんだと」

──豊富な知識量とは、どういった場面で披露されていたのですか?

「飛んでる虫を見ては『〇〇虫だ』とか、鳥を見ては『〇〇が飛んでるね』など、そういったところから話が広がっていったんです。凛とした佇(たたず)まいとはまた違った一面を見せてくださったり、一側面で捉えることができないような、多彩な魅力を持った方なんだと思いました」

──スペシャルドラマならではの見どころはどういったところでしょうか?

「1時間の枠で描いていることと、2時間でお届けするスペシャルとで、誤解を恐れずに申し上げると、やっていることは同じだと思っているんです。ただ、それをどこまで詳細に描写するのか、時間をぜいたくに使って届けるか…という違いでしかなくて。レギュラー放送が希釈されているということではなく、おいしいランチを出す店のディナーコースかもしれません。お届けしている具材や技術は一切変わらないけれども、メニューの変化によって同じお店をまた違った形でお楽しみいただけるという感じです。スペシャル版では、より『遺留捜査』の物語の世界を濃厚に堪能していただけるのではないでしょうか」

──遺留捜査の世界に呼んでみたいゲストはいらっしゃいますか?

「僕はどなたでも大歓迎です。8年という時間をかけて紡いできた物語の中には、一瞬たりとも安定という言葉がふさわしい時期はありませんでした。糸村も赴任先を転々としていますし、遺留品もさまざまな事件とともに糸村の前に現れてきています。だからこそさまざまな状況でもお届けできる、『遺留捜査』の器の柔軟性は確約できるような気がするんです」

──なるほど…。確かに近年幅が広くなっている気がします。

「去年の秋には、『天狗村』と『仮想通貨』というかなり毛色の違う二つのテーマを、1本の作品としてお届けしました。それでも “遺留捜査”という作品になるんだという感慨と、驚きを感じました。今となってはどんな事件、遺留品、ひいてはどんなゲストの方にお越しいただいても、作品の骨子は揺らがないと思うんです。例え揺らいだところで変わらない、むしろ揺らいでもいいようなところにまで来ているとも言えます。どんなキャラクターの方に来ていただいても、その事件を楽しませていただきたいという、その一点だけです」

──上川さん自身も、誰が来てどんな事件になるのかを楽しみにされているんですね(笑)。

「本当に毎回楽しみなんです、どなたがいらっしゃるのか。キャスト表を見ながらわくわくさせていただいています」

──続いて、これから先「遺留捜査」で挑戦していきたいことはなんでしょう?

「これまで『こんなことがしたいです』とはこちらから提言させていただいたこともないですし、『これはちょっと…』と言ったこともないんです。糸村は、やれるかやれないかにかかわらず何でもやってしまうでしょうし、それが糸村なんだろうと思っているので。僕はむしろスタッフの皆さんが糸村に何をさせたいのか、糸村がそれにどう向き合っていくのかを楽しみにしていきたいです」

──では最後に見どころをお願いいたします!

「今回も、一つの人形から事件がひも解かれ、それにまつわる思いや悲哀が描かれる、非常に『遺留捜査』らしい作品になっています。同時に美村さんが演じられるこれまでにない、ある種女傑としての佇まいや、それが事件にどうかかわってくるのかという部分が大きな見どころの一つになってくると思います。そこをまずはお楽しみいただきたいです。また、糸村と甲本雅裕さん演じる村木の絡みは、今回も通常営業で繰り広げられます(笑)。そちらも合わせてご期待ください!」

──上川さん、ありがとうございました!

【プロフィール】


上川隆也(かみかわ たかや)
1965年5月7日生まれ。東京都出身。1989年に演劇集団キャラメルボックスに入団し、活動を始める。テレビドラマや舞台、映画などに多数出演するほか、アニメ「ルパン三世 PART5」など声優としても活動。「BG~身辺警護人~」(2018年/テレビ朝日系)や、「櫻井さんの足元には死体が埋まっている」(2017年/フジテレビ系)、「執事 西園寺の名推理2」(2019年/テレビ東京系)などに出演している。

【番組情報】


「遺留捜査スペシャル」
テレビ朝日系
10月3日 木曜 午後8:00~9:48

テレビ朝日担当 I・S

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