スタジアム構想で討論 長崎で政投銀 ジャパネット高田氏ら 「長崎の交流人口・関係人口拡大に向けて」

長崎の交流人口拡大に向けて意見交換したパネル討論=長崎市、ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒル

 「長崎の交流人口・関係人口拡大に向けて」と題したパネル討論が9月30日、長崎市内であり、同市でスタジアム構想を推進する通販大手ジャパネットホールディングス(佐世保市)の高田旭人社長ら4人が意見交換した。
 全国の地方創生事例を取材したテレビ東京アナウンサーの森本智子氏=長崎市出身=は「成功したのは一握りの地域。長崎のコンテンツはどこよりも強いが、多すぎて伝わらない」と苦言を呈し、スタジアム構想に企業・市民・行政が「同じ熱量」で関わるよう提案した。
 高田氏は、商品を「見つけて」「磨いて」「伝える」を着実に行えば必ず売れるという経験則から「通販事業とスポーツによる地方創生は共通する」と指摘。自社の熱意を地元の企業や住民に伝えきれていないもどかしさも明かし「県民に楽しんでもらえるものをつくる。一緒に夢を見よう」と呼び掛けた。
 これを受け、地方創生を所管する内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局次長の田川和幸氏=佐世保市出身=は「外に魅力を発信する前に地域をまとめる求心力が求められる」との見方を示した。
 大和総研特別理事で元長崎大経済学部教授の川村雄介氏は、1980年ごろ長崎市に近い人口規模だった米シアトル市が1.8倍に成長した点に着目。「アマゾンなど世界的企業と人材が集まった。長崎も魅力を生かし、東京や福岡から取り込むべきだ」と主張。スポーツや観光などを学べる独自の教育環境を整備し留学生を増やすよう訴えた。
 パネル討論は日本政策投資銀行などが「長崎ヒカリ会」経済講演会として主催。約230人が聴講した。

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