JR東日本は10月3日、新幹線線路設備モニタリングに向けた新型保守用車「SMART-i」を導入すると発表しました。
同社は線路全体の保守・機能状態を把握するため、専用の検測車両「East-i」で定期的に線路のゆがみを測定しています。今回は新たに開発した「新幹線線路設備モニタリング装置」を搭載した新型保守用車を導入することで、線路状態の検測精度向上や作業員の労力の軽減を目指します。
「新幹線線路整備モニタリング装置」は「軌道材料モニタリング装置」と「分岐器・軌道変位検査装置」から構成されており、これらは両方とも専用保守車「SMART-i」の床下に搭載されています。
「軌道材料モニタリング装置」はレールとマクラギを固定する金具（レール締結装置）の状態をカメラで撮影し、画像解析を行うことでレール締結装置等の材料の異常の有無を抽出する仕組み。
「分岐器・軌道変位検査装置」は加速度計とレーザーセンサーにより分岐器及び線路のゆがみの測定を行います。
新型保守用車の名前の由来は？
S：Sensing（センシング）
M：Monitoring（モニタリング）
A：Advance（先進）、Automation（自動化）
R：Realize（CBMの「実現」を目指す）
T：Technology
i：Integration（統合）、Intelligent（知能）、Inspection（検査）、アイ（目）
CBM（Condition Based Maintenance：状態を把握して最適な時期に補修を行うメンテナンス）の実現のため、各種センシング技術を統合し、効率的かつ効果的な検査をスマートに行うことを目指し名称に”SMART”を採用。iは様々な意味が込められているのはもちろんのこと、JR東日本の総合検測車である”East-i”の”-i”を付与することで検測車両としてのイメージを踏襲、親しみやすい名称としたとのことです。
JR東日本はこのSMART-iを2019年10月～2021年3月に東北・上越・北陸・山形・秋田新幹線にて試験導入。検測データの精度の検証、機器の耐久性、データ解析のシステム構築等の運用に向けた課題について試験を行い、その結果を踏まえて実導入の検討を進めていくとのことです。
鉄道チャンネル編集部
