親鸞の直筆「願文」 大村で発見 教義広めるため書写か

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浄土真宗の重要な教え「四十八願文」の「第十七、第十八願文」を親鸞が書写した書面の一部

 浄土真宗本願寺派長崎教区教務所(長崎県諫早市)は3日、同宗の宗祖・親鸞(1173~1263年)が経典を書写した直筆の書面を、大村市杭出津2丁目の正法寺(しょうぼうじ)で発見したと発表した。

 書面は、浄土真宗の本尊阿弥陀如来が立てた48の願い「四十八願文(がんもん)」のうち、最も重要な教えとされる第十七、第十八願文を記している。調査した本願寺史料研究所(京都市)は「教義を広めようとした親鸞の思想的背景を考える上で重要」としている。

 書面は縦25.6センチ、横15.9センチ。漢字の願文と片仮名のルビを墨で書いている。同研究所によると、片仮名の形や「佛」「我」の字の一部が晩年の親鸞の直筆と酷似しており、1257年ごろに書写したとみられるという。

 正法寺の前住職が約20年前、書面が貼られた掛け軸を入手。長崎教区教務所が浄土真宗の長崎における広がりを調べている過程で見つかった。

 書面の願文は「阿弥陀如来がすべての人を救おうと願い、願いを信じる人は救われる」という意味。過去に見つかった複数の直筆願文とは大きさが違うため、親鸞は複数回、願文を書写したとみられるという。同研究所は「書写した願文を門弟に渡し、教義を広く伝える意味があったのだろう」とみている。

 同研究所によると、親鸞直筆の書物や書面は数多く見つかっている。九州では十数年前に鹿児島県の寺院で見つかって以来2例目。