成年男子96キロ級 矢葺(県競技力向上本部)優勝 茨城国体・重量挙げ

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【成年男子96キロ級】ジャークでトップの185キロを挙げ、トータルでも337キロで優勝した矢葺士=高萩市文化会館

 第74回国民体育大会「いきいき茨城ゆめ国体」第6日は3日、高萩市文化会館などで行われ、愛媛勢は、重量挙げ成年男子96キロ級で矢葺士(県競技力向上対策本部)がジャークとトータルで優勝、スナッチで準優勝した。矢葺はスナッチではわずかに及ばなかったが、得意のジャークで185キロを挙げてライバルに差をつけ、トータルでも優勝した。今大会での愛媛勢の金メダル獲得数は4となった。

【渾身の懸け 挑戦実った】

 来年に国体を控えた鹿児島県の有力選手との一騎打ち。勝負を決したジャークの最終試技で、矢葺士は渾身(こんしん)の力で185キロのバーベルを挙げた。直後に相手が失敗し、ジャークとトータルの優勝が決まると「良かったーと、心の底から思った」。地道に歩みを進めてきた男が、5度目の国体で頂点へたどり着いた。

 「絶対優勝」を掲げた決戦で、スナッチは自己記録の152キロを挙げながら、冒頭の鹿児島県の選手に次ぐ2位。ただ、優勝ラインを見極め、駆け引き的に重量を選ぶハイレベルな攻防を戦い「素直に相手を褒めようと。悔しいけど、前向きな気持ちだった」と、高い集中力を維持してジャークに進んだ。

 2人とも最初に180キロをクリアしたが、先に2度目に挑んだ矢葺が185キロを失敗。ライバルが186キロを選択したことで、インターバルなく3度目の試技を強いられる苦しい展開になった。

 ここで、あえて相手より重量を引き上げて休む時間をつくることもできたが、「お互いの状態を見極め、人生最大の懸けをした」(浅野泰典監督)。2分間の制限時間をいっぱいに使って185キロを成功させ、ぎりぎりの勝負を制した。

 国体初出場の2015年は、ジャーク6位、トータル7位入賞という成績だった。力を伸ばして勝負を懸けた17年愛媛国体では、スナッチを記録なしで終えるつまずきもあった。それでも挑戦をやめず、昨年の福井でトータル3位に入って頂に肉薄。「やっと貢献できた」の一言に、重みがこもる。

 「重量挙げのこつなんてないです。地道にやるしかない。サボらず続けた自信だけはあるんです」。県のスポーツ専門員として、地元の新居浜市で高校生と共に汗を流した。「彼らがいないとできなかった。自分だけではできないんです」。何人分もの思いと、何千日もの時間。全ての結晶が、胸元で金色に輝いた。

重量挙げ成年男子96㌔級のジャーク、トータルで1位、スナッチでも2位に入り、表彰を受ける矢葺士=3日、茨城県高萩市(撮影・柳生秀人)